鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

極私的ベースで聴くハロプロ楽曲

しばらく前に、あるブログでハロプロ曲のベーシストについてコメントさせていただきました。そのときにハロプロ楽曲でベースが印象的な曲を集めたら面白いかなあなどと思いついたので実際にやってみました。
なるべくなら動画があるほうがいいかなということで、Dohhh UP!で動画が配信されている曲から選んでいます。動画をたくさん貼ったため読み込みに時間がかかると思いますので、以下は「続きを読む」で。


※このエントリーはアップフロント公式動画配信サイト『Dohhh UP!』の動画を埋め込んでいましたが、同サイトがサービス停止したため動画が見られなくなっていました。
長らくそのまま放置しておりましたが、YouTubeで公式配信されている動画へと差し替えました。そのほかの部分は記事公開当時のまま、手を加えていません。(2013年12月6日追記)

まっさらブルージーンズ/ベース:笹本安詞

ハロプロ楽曲が数ある中で、ベースソロがあるのはおそらく3曲。モーニング娘。おとめ組『愛の園〜Touch My Heart!〜』(ベース:江川ほーじん)、Berryz工房流星ボーイ』(ベース:YOGA FIRE!)、そしてこの『まっさらブルージーンズ』です。『まっさら〜』は冒頭から一貫してベースが曲の核となっており、ハロプロ楽曲の中でもっともベースが目立っている曲と言えると思います。
あえて正しい呼び名である“スラップ奏法”ではなく、古い呼び名で“チョッパー奏法”と呼びたくなる雰囲気のあるベースプレイです。このえげつない感じが歌詞のテーマである“枠からはみ出したい少女の心理”を象徴するように曲の世界を作り出していると思います。
ベースを弾いている笹本安詞氏はプレイヤーとしてだけではなく、アレンジャー・コンポーザーとしても活躍。さらにヴォーカリストとしてもDe Voice名義で吉村まさみさんという女性シンガーとデュエット曲もリリースしています。吉村まさみさんの公式サイトでその『Delight of my love』という曲が一部試聴できますが、ベースプレイからは意外なほどの甘いボーカルです。実は私は歌声を先に知っていたので、のちに激しいベースプレイを聴いたときはちょっと驚きました。

恋愛♥ライダー/ベース:野崎森男

続いてBuono!の『恋愛♥ライダー』。この曲は同一弦上で押弦した指を滑らせるグリッサンドの多用から生まれるドライブ感がたまりません。決してベースが強調されたミキシングではなく、ギターもドラムも騒々しくてベースラインが明瞭に聴こえるわけではありませんが、とにかく低いほうでブリブリとうねっているというところが重要なわけです。

ホントのじぶん/ベース:西川進

同じくBuono!から『ホントのじぶん』。この曲ではアレンジをつとめているギターの西川進氏がベースも演奏しています。そのクレジットを見てしまっている先入観もあるかもしれませんが、なるほどベーシストではない人の弾くベースという印象があります。基本的にシンプルなルート弾きに裏を感じさせるアクセントが入るのですが、そのニュアンスがギタリストっぽいなと。おそらくピックで弾いているものと思いますが、ギターのカッティングに近い感じでピッキングしているのではないかと思います。

Mr.Moonlight〜愛のビッグバンド〜/ベース:渡辺等

娘。の『Mr.Moonlight〜愛のビッグバンド〜』はブライアン・セッツァーオーケストラを思い出させるロカビリー&スウィングな曲で、ベースは渡辺等氏が演奏。フレットレスベースやアップライトベース、はては多彩な民族楽器まで演奏する渡辺氏ですが、おそらくこの曲はアップライトベースで弾かれていると思います。シンプルな4分音符で構成されたフレーズでもスウィング感満点。

涙が止まらない放課後/ベース:スティング宮本

ここまでで挙げてきた曲とはガラリと変わった曲調で、曲の中でベースが果たしている役割も少し変化しているかもしれません。決して音数が多いわけでもなく、派手なプレイをしているわけではないのですが、歌を盛り上げるタイプのベースです。スライドや高音域の使い方も巧みで、ひじょうに歌心を感じさせるベースプレイとなっております。この曲でベースを演奏しているスティング宮本氏は、モーニング娘。誕生10年記念隊の『愛しき悪友へ』でもよりメロディアスで流麗なベースを聴かせてくれます。

しょうがない 夢追い人/プログラミング:平田祥一郎

ベースギターやアップライトベースだけがベースじゃないんだぜ、というわけでこの曲を。動画では心なしか低音が弱い気がするので、できればCDなどの音源で聴いていただきたいところです。この曲ではシンセサイザーサウンドがベースパートを担っているわけですが、その音が強烈です。太くかつ歪んだ音でオケ全体の中ですごい存在感を持って響いてきます。いまだに打ち込みは生演奏の代用的な認識を持っていらっしゃる方もいるようなのですが、生では絶対出すことのできないサウンドというのがあるわけです。



というわけで6曲。中途半端な曲数になったなあ(笑)。1曲削って5曲にするか、あるいはいっそ10曲まで増やそうかと考えたのですが、そのまま最初に思いついた曲を並べてみました。
このほかの曲ですと、タンポポの『恋をしちゃいました!』はDohhh UP!に動画があればぜひ挙げたかったところでした。ブリティッシュサウンドというイメージの強い2期タンポポですが『恋しちゃ!』に関してはモータウンアメリカのガールグループの影響が大きいと思います。ベースのサウンドもそのころの音を思わせるようなボンボンと太く弾んだ音。かつウォームに歪んでいるのがひじょうに気持ちいいです。


タイトルで逃げを打っているとおり(笑)、あくまで極私的な選曲ということでかなり偏っているのはご容赦ください。ほかに「この曲は外せない」などのご意見あればお寄せいただければ嬉しいです。