鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

Summer breeze

Buono!のニューシングル『夏ダカラ!』の音作りの特異さは、この曲でのアコースティックギターの使われ方と、同じくBuono!の『Take it Easy!』のアコースティックギターの音を聴き比べてみると明確だと思います。
『Take it Easy!』ではアコースティックギターの音が、大きな広がりを持って空間を埋めていくように使われています。これに対し『夏ダカラ!』のアコースティックギターは、大きく広がるのではなく、いわば点として空間の中に存在しています。
これはアコースティックギター以外のサウンドも同じで『夏ダカラ!』では、ドラムズ、ピアノ、ギターなどが、すき間を残すように空間に配されています。
そしてその空間の中で一番広がりを持ったパートが、ボーカルとコーラス。楽器によって埋められた空間に歌が乗っていくのではなく、歌が広がりのある空間を作っていくような、そんな音作りがされています。
クイーンのようなブリティッシュ・ロックやフィル・スペクターの遺伝子を感じさせつつ、音のすき間を大事に作られた『夏ダカラ!』。夏の暑い日、さわやかな風がフッと吹き抜けていったときの涼やかさを思い出させるような、そんな心地よい1曲です。



カップリング曲『Ice Mermaid』は、サーフ・テイストのギターも入ったサウンドが夏のギラギラとした暑さを思わせ、『夏ダカラ!』とは一対となって「夏らしさ」を感じさせるシングルとなっています。