何気に大胆

Dohhh UP!で聴いてからリリースが楽しみだった娘。さんのニューシングル『女が目立って　なぜイケナイ』を購入してきました。

女が目立って なぜイケナイ

今回の曲が面白いのは、生ドラムを使いつつもシンバル類の音がほとんど入っていないんですよね。ハイハットすらＢメロ終わりからサビにかけて入ってくるくらいで曲の大半では使われていません。普通は打ち込みであってもハイハットはリズムに欠かせないわけで、それを抜いてしまうのはかなり大胆なアプローチだと思います。通常であればハイハットが果たすリズムを刻んでいく役割はアコースティックギターに任せてしまっていて、それによってアコースティックギターの存在が際立っているとともに、サウンド全体がすごくタイトになっていると思います。
もうひとつ、歌詞でも面白く感じた部分がありました。サビの最初のフレーズはワンコーラス目は「もしも美人ばっかの」。ツーコーラス目では「もしも有名人ばっかの」。「びじん」と「ゆうめいじん」では文字数が全然違うんですけど、なかば勢い任せで同じメロディに乗せてしまっているわけです。これは作詞者と作曲者が別だったら絶対ありえないフレーズだと思うんですよ。いわゆる作詞家さんが書いたらもっとピッタリとハマるフレーズを書くはずで、つんく氏が詞と曲の双方を手がけているユニークさが出た部分だと思います。

カップリング曲『泣いちゃうかもしれないよ』は、デモの段階ではもっときれいにまとまっていた曲を崩す方向でアレンジした曲ではないだろうか、という印象を受けました。
高橋さんによるものらしいラップのフレーズが繰り返されるのが印象的。これまでの娘。の曲にはあまりなかったノリを持っている曲で、コンサートなどで披露されたらどんなパフォーマンスになるのかが興味深い曲です。