Noi siamo

Buono!のサードアルバムは、セカンドアルバムのようにメンバー各人がはっきりメインと据えられた楽曲はなく、橋本淳＆筒美京平コンビによる曲が収録されていることもあわせて、ファーストアルバムの方向への回帰も感じさせます。奇数枚目のアルバムと偶数枚目のアルバムで方向を変えてくるという趣向なのだったら面白いなあ。
しかしもちろんファーストアルバム路線そのままというわけではなく、前作までのキラキラ青春ソングだけでなく、迷いや葛藤を感じさせるような楽曲が増えているのも今回のアルバムの特徴と言えるのではないでしょうか。
これまでのBuono!になかったようなアコースティックサウンドと思わせつつ曲調がガラッと変わっていく『うらはら』の「裏切られる感」が心地よいところです。

We are Buono!

さて、これまでにBuono!としては10枚のシングルと３枚のアルバムがリリースされたわけですが、今回のアルバムを聴いて、Buono!楽曲をBuono!楽曲たらしめているのは、もちろんソングライターやアレンジャー、プレイヤーの力も大きいのだけれど、それと同等かあるいはそれ以上にエンジニアの力が大きいのではないかという印象を強く持ちました。個々の楽器の音をどう仕上げて、それを空間内にどう配置させて、どうサウンドを構築していくか。それが決してナチュラルに臨場感を伝えるという方向性ではなくて、表現手段として積極的に作り込んでいくという方向性を持って作られているサウンドなのだと思っています。
そう考えると、アルバムタイトルである『We are Buono!』も、３人を指していると同時に、Buono!サウンドを作り上げているチーム全体を指して「We are」という意味も込められているのでは、などと思ったりもするのです。