鉄よりつよいもの。(旧)

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『チャンプル(1)』

収録曲や参加メンバーなどの情報が断片的に聞こえてくるにつれて期待が高まってきて、少しでも早く聴きたいと、発売日以降の配送になりそうなアマゾンでの予約を取り消して発売日前日にショップで購入しちゃいましたよ、このアルバム。

チャンプル(1)~ハッピーマリッジソングカバー集~

チャンプル(1)~ハッピーマリッジソングカバー集~

やはり早く購入して大正解。昨日帰宅してからフルで数回、曲によってはもっと繰り返して聴いてしまっています。
印象的なリズムをシンセベースで刻み、原曲のイメージを保ちつつもバンドサウンドにとらわれないアレンジとなった1曲目の『DIAMONDS -ダイアモンド-』から、好印象でアルバムの世界に入り込めました。


個人的に特に気に入っているのは亀井さん参加の2曲です。
ガキカメコンビでの『守ってあげたい』はふたりの声質が曲調にすごくあっています。亀井さんが「いいかげんだった 私のこと」のパートを歌っているのはすっかり定着した適当キャラを考えるとちょっと面白いです(笑)。
もう1曲、タンポポ#として参加しているのが『赤いスイートピー』。亀井さん、光井さん、熊井さん、岡井さんという“井”の付くメンバーで構成されているもので、名前だけで選んだメンバーかと思ったのですが、これが実にいい組み合わせなんですね。それぞれの声質に個性はあるんですけど、不思議な一体感があります。なので、特にAメロはけっこう細かくパートが割られているにもかかわらずブツ切り感がなく、ちゃんとひとりの女の子の視点を持った歌として聴こえてきます。それから岡井さんがこの曲のような歌い方ができる人だとは思わなかったので驚き。タンポポ#については今後の活動も俄然楽しみになってきました。
そういえば呉田軽穂松任谷由実ペンネームなので亀井さん参加の2曲はどちらもユーミン楽曲だったんですね。


そのほかにも、℃-uteと真野さんによる『愛は勝つ』は、歌い出しから大勢の女の子がユニゾンすることで生まれるパワーが原曲よりちょっとハードさを増しているアレンジと相まって、ポジティブな雄大さを感じさせます。そこから真野さんのソロパートになって若干こけそうにもなりますが、それはご愛嬌(笑)。そこに続く℃-uteのパートの力強さがすごいです。ここは岡井さんの声が効いているのかなあ?
この曲で唯一残念だったのが、ミュージシャンのクレジットで“ピアノ:真野恵里菜”になっていなかったところかな(笑)。


もうひとつ驚いたのが、続・美勇伝=道重さん、菅谷さん、ジュンジュンによる『ONLY YOU』。このメンバーにカッコいい系の曲が似合うとは正直意外でした。この曲ではジュンジュンの張りのある歌声が魅力的です。


ただ全曲全肯定とはいかなくて、『未来予想図II』は、全編ユニゾン+ハーモニーにしてしまっていたのがちょっと残念。集団で歌うことで力を持たせるって意図はわかるような気もするんですけど、ここはもっと挑戦しても良かったのではないかと思います。
それから、悪いけど『関白宣言』は失敗ですね。もともと語るようなニュアンスで歌われている歌なわけで、なにをお手本にしたのかはわかりませんが、メロディと歌い回しのニュアンスが区別できていない印象があります。そもそも、いかに結婚がテーマの定番曲といっても10代の女の子が歌う曲じゃないんですよ。さだナンバーで結婚がテーマでコミカルな風味が欲しいのであれば、『雨やどり』を選べばいい。これは完全に選曲ミスだと思います。


というわけで、最後にネガティブな印象も書いてしまいましたが、予想していた以上によい仕上がりのアルバムでした。以前、娘。のカヴァーアルバムのときにも同じようなことを書いたと思いますが、歌手としてのハロー!プロジェクトの現在が見えるアルバムだと思います。


あ、もうひとつ、今回のアルバムで個人的に印象に残ったのがシンセベースの音です。『DIAMONDS -ダイアモンド-』や『君がいるだけで』あたりがわかりやすいですけど、アナログシンセ系の「ぶぃん」という感じの音がよく使われています。もちろん昨今よく使われる音ではあるのですが、異なるアレンジャーの曲でも同じ傾向の音が使われているところ、プロデューサーの現在のサウンドの嗜好を示しているのではないかと思います。