区切り

もうけっこう前のことになると思いますけど、ハロー！プロジェクトオフィシャルショップに行ったときのことです。そのころ、娘。とBerryz工房と℃-uteの“喜怒哀楽”という企画の写真が販売されていました。各メンバーが文字通り“喜”“怒”“哀”“楽”４種類のポーズで写っているのですけど、わかりやすい笑顔の“喜”や“楽”に比べると、“怒”は、まあそう言われてみれば怒っているように見えるかな、くらいの表情のメンバーがほとんどでした。その中で、これは１００人が見たら１００人が怒った顔だとわかるだろうと思える表情をしていて、その表情の作り方に感心したのが、℃-uteの有原さんの写真でした。
そのあと、コンサートのＤＶＤを観たときに有原さんの表情をちょっと気にしてみたことがあったのですが、歌詞の内容にあわせて切なげな表情もしてみたり、もちろん笑顔も見せたりと、その表情の幅の広さがとても印象に残っていました。
それから、彼女の声。若干癖のある声ではありましたが、それはソロパートだけでなく、ユニゾンしたときの“℃-uteの歌声”にヤンチャさを与えて、℃-uteらしさを生み出す大きな力になっていたのではないかと思っています。

その有原さんが参加する新曲を聴くことも、ステージで彼女を観ることも、もうできなくなっていたという告知に、奇妙な感覚を覚えました。
間もなくおこなわれるイベントやコンサートでも、きっと大きく触れられることはないと思います。それはおそらく、演者にとっても、観客にとっても、つらいことのはずなのだけれど。
ひとつのことにちゃんとした区切りをつけるのは、なんて難しいことなんだろう。いま思うのは、そんなことです。