目には見えない力を信じて

５月６日のさいたまスーパーアリーナで、怪我のためヒールのない靴を履いていた彼女は、そのせいでいつもよりもずっと小さく、華奢に見えた。
その肩にリーダーという肩書きが乗ることになる。
これまでのリーダーたちのような逞しさはないかもしれないけれど、しなやかな強さを彼女は持っている。だから大丈夫だろう。
そう思いつつも若干の不安を禁じえないのは、彼女がどこか翳りをたたえているように見えることがあるからだ。
歌っているとき。演じているとき。あるいは写真の中で。
その翳りや憂いを感じさせる表情は、彼女の表現する者としての強い武器ではあるのだけれど、それが似合いすぎるから、時折不安になる。
だから、しばらくは、そんな表情が彼女の顔に浮かばければ良いと思う。