鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

アレンジャーの仕事

℃-uteのニューシングルは森高千里さんのカバーの『この街』。原曲からはかなりテンポを落としたバラード調となっており、それはいま℃–uteがまっすぐに歌うにふさわしいかたちになっていると思います。


さて、この曲をラジオやYouTube配信のビデオクリップで聴いたとき、最初に聴いたときとオケが違っているような気がしていました。
私が℃-ute版『この街』を最初に聴いたのは、今年1月5日オンエアの℃中島さんのラジオでした。リリースされた音源ではイントロから情感豊かなエレキギターが印象に残りますが、最初にラジオでかかったときにはそのギターや、サビ前のスパニッシュっぽいアコースティックギターの音は入っていなかったような気がしていました。
最初のオンエアを録音していなかったので聴き返してたしかめることができなかったのですが、その後、やはり中島さんのラジオ2月2日オンエア分で、コンサートでの話ではありますが「最初はギターが入っていなかった」という内容が話され、記憶違いでなかったことが確認できました。


オケへのギターの追加が間違いないとなると「編曲家の仕事はどこまでなのか」ということが気になってきます。
℃-ute版『この街』でタイトル曲の編曲にクレジットされているのは平田祥一郎氏です。平田氏が当初からリリースされた音源のようにエレキギターの入る曲として編曲していたのであれば、コンサートやラジオでギターの入っていない、いわば未完成のかたちが公開されることはないのではないでしょうか? 平田氏が完成させたアレンジは、コンサートやラジオで披露されたギターの入っていないかたちで、それがその後、ギターを入れるという判断がなされて(おそらくはひじょうに短期間の間に)ギターを追加レコーディングしたのではないかと思うのです。(ギター演奏は朝井泰生氏によるもの)
ギター追加ほどの大きな変更ではなくとも、たとえばどのトラックを目立たせるかによってもアレンジの印象って大きく変わってくると思います。リスナーがリリースされた音源を聴いて「このアレンジいいな」と思ったとしても、実はそれが本来アレンジャーが想定したかたちとは違っていることもあるのではないか。そんなことを考えました。


ちなみに、私は以前からあとでギターを追加したのではと想像していた曲が何曲かありまして、今回『この街』の件でその予想は外れてはいないんじゃないだろうかと思っています。たとえば、娘。の『しょうがない 夢追い人』はギターをあとで追加した可能性が高いと思っています。