鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

楽しむ

楽しんではいられないんですよ。
楽しいとは絶対に思えないんです。

1年ほど前になるのかな、ベテランと呼べるキャリアを持った女性シンガーが、あるテレビ番組でコンサートについて語った中の一節です。*1


「演者自身が楽しんでいるのが一番」「自分が楽しまなければ観客を楽しませられない」
そんな価値観が“正しいこと”としてよく語られているだけに、この言葉を聞いたときには大きな衝撃を受けました。それ以来、折りにつけこの言葉が思い出されることがあります。
これはコンサートに限ったことではないけれど、演者が楽しんでいるのか苦しんでいるのかなんて、結局のところ受け手にはわからないものだと思います。そして受け手は単に楽しむことを許されている。考えてみれば、観客というのは残酷で身勝手な存在なのかもしれません。
春ツアーがスタートする前夜の道重さんのブログのエントリーを読んで、そんなことを思ったのでした。




冒頭の言葉を語った女性シンガーは、たしかそのあとにこんな言葉を続けていました。

ただ、ファンの子の「よかった」って笑顔、「よかった」って声を思うと、ほんとにやっていてよかったな、
また次がんばろうと思うんです。

*1:記憶に頼って書いており、私の記憶違いの可能性もあるので名前は出しません