10人の物語

想いあふれて

息を吸い込むような音でスタートする松浦さんのニューアルバム。
１曲目『結婚しない二人』が男性視点の歌詞であることにまずビックリ。そして同曲にツーコーラス目では「え、この曲作ったのって『愛は勝つ』って歌っていた人だよなあ」と確認したくなるようなシニカルな歌詞が出てくるのにビックリ。さらに曲終盤に登場する大胆な歌詞にまたビックリ。と、１曲目から驚きの連続となりました。
アルバム全体としては、前作『ダブル　レインボウ』の路線を継承して、流行に左右されないストレートなポップアルバムという印象の１枚です。
全10曲、それぞれ異なった味わいを持つ曲たちですが、数曲で「プライド」というフレーズが共通して使われているように、それぞれの曲がどこかしらでリンクしているよう。
都会で暮らす10人の若い世代の女性・男性たち。ひとりひとりがそれぞれの生活を送っているけれど、本人たちも気づかないちょっとしたなにかで繋がっている彼女（彼）たちのライフを俯瞰でとらえた映画を観たような、そんな感覚を聞き終えたときに覚えるアルバムです。