久しぶりに聴いた1枚
- アーティスト: 高橋幸宏
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 1995/10/25
- メディア: CD
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「大人の純愛三部作」完結編となる本作は、ほぼ全曲に日本屈指のテレキャスター使いである徳武弘文氏が参加。そのカントリーテイスト溢れるギターサウンドにより、カラッと乾いた明るさが感じられるアルバムとなっています。歌詞の面でも同様に、幸宏氏らしい情けない男性像を描きつつも、屈折を経た上に見出す一筋のポジティブさが一貫して感じられます。
たとえば、鈴木慶一作詞の『男において』という曲では
優しい人ね いい人ね
大人になって 聞かされてきた
孤立無援の ぼくのまわりは
笑顔の代りに なるものがない
と、周囲と自分の違和感に由来する空虚さを歌いつつ、ラストはこう結ばれています。
もう少し 素直になれたら
自分の事 好きになる
もう少し あと少し そばにいたい
「好きになる」
。「そばにいたい」
。
前へ進もうとする意志が、ここには確実に存在しています。
現在残念ながらCDは廃盤。iTunes Music Storeでダウンロード購入ができますが、新作での東芝EMI復帰をきっかけにCDでも再発してくれないかなあ。