鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

CHALLENGEЯ!

忘れないうちに、というわけで9月17日新宿ReNYで開催されたLoVendoЯライブの話を。


ギタリスト・魚住有希さん卒業ライブとなったこの日の公演、ライブタイトルに『CHALLENGEЯ!』と、新たな道へ挑んでいく魚住さんへのメッセージが冠されていたとはいえ、ライブ序盤では特に卒業に触れるようなコメントや演出もなく、もし予備知識のない方がご覧になったらメンバーの卒業ライブだとはわからなかったかもしれません。
しかし、一見いつもと変わらないように見えても、前ツアーとガラリと変わったセットリストには魚住さんの手による曲や最近は演奏の機会が少なかった初期楽曲もつめ込まれた特別なもので、その「いつも通りで特別」なところがLoVendoЯらしさなのかなと思いました。


このライブは、魚住さん在籍時のLoVendoЯを振り返るようなニュアンスもあったかもしれません。魚住さん作曲の『むせび泣く』で、アウトロの演奏が続く中、ボーカルのふたりがステージを去っていくという過去のツアーでやっていた演出の再演は嬉しいところでしたし、そこからサポートを含めた楽器隊だけでのインスト曲への、なにかが弾けるかのような流れは鳥肌が立つほどでした。


そして、魚住さん卒業をはっきりと感じさせるアンコール。宮澤茉凛さんの弾くアコースティックギター田中れいなさん岡田万里奈さんの歌だけで、魚住さんに贈るように『宝物』が歌い出されたのは、寂しさがありつつも爽やかさを感じるような光景でしたし、その『宝物』終盤で田中さん岡田さんが客席に「ラララ」のリフレインを歌うように促し、客席の合唱に応えるように魚住さんがギターソロを弾いたのは、ファンと魚住さんのLoVendoЯでの最後のセッションという感覚を覚えました。
この『宝物』って、もちろん魚住さんの卒業決定の前に作られた曲ですし、決して卒業に際しての歌でもないんですけど、魚住さんが作曲、田中さんが作詞ということも含めて、この場で歌われるのにこれ以上ないほどふさわしい曲になっていたわけで、やはりどこか「運命」という言葉を意識させられました。


それから、最初のアンコール後には魚住さんは客席に向け肉声であいさつをしてステージを降りたのですが、ダブルアンコール後には、魚住さんがマイクを通して想いを語れるよう、田中さんがステージを去り際に自分のマイクを魚住さんに。LoVendoЯのリーダーらしさを見せる田中さんの姿は、頼もしくもありました。


魚住さんの最後のあいさつ「またどこかで会いましょう」は前向きなものでしたし、これから3人で活動していくLoVendoЯの告知をした田中さんが「LoVendoЯ新しい色になったなと思ってもらいたい」という意味のことを口にしていたのもやはり前向きで、LoVendoЯの、魚住さんの「これから」を感じさせるライブになっていたと思います。


個人的に今回のライブで一番印象に残った瞬間は、本編終盤にボーカルふたりとギターふたりのメンバー4人全員がステージ前方に出てきて横一列に並んだ瞬間でした。そのとき歌っていた曲は『Stonez!!』。
「僕たちはただ 転がりゆく意思のまま もう限界に甘えちゃいらんない」
ちょうどその瞬間歌っていたこの歌詞のように、そこに留まらず「転がりゆく」4人の決意。きっと4人誰もが転がり挑み続ける「CHALLENGEЯ!」なのだと思います。


※引用部はLoVendoЯ『Stonez!!』(作詞:唐沢美帆/作曲:阿久津健太郎)より