鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

1208武道館

2015年もあとわずか。というわけで今年のうちに書いておきたいことを。


12月8日は日本武道館に『モーニング娘。'15 コンサートツアー秋 〜PRISM〜』最終公演を観にいきました。
私が『PRISM』ツアーを観るのはこの公演が最初で最後。今年いっぱいで卒業する鞘師さんの娘。単独としては最後の公演にもなったわけですが、それを抜きにしてもこれ一度しか観られないのが残念なコンサートでした。
冒頭の『Oh my wish!』での娘。さんたちと映像がシンクロする演出は、この曲はこの演出のために作られたのではないかと思うほど曲の魅力を存分に引き出していましたし、もちろんそれ以外にも見どころは山のようにあって、今回、日程の都合やチケットが入手できなかったなどの理由でほかの会場での公演を観ていなかったのがいまでも惜しまれるほどです。


そんな中で、武道館での最終公演で特に印象に残った場面について、ふたつほど。

舞姫

公演の中盤、鞘師さんがソロの『大阪恋の歌』で踊る――というよりむしろ「舞う」というべきかもしれません――鞘師さんの姿を見たとき、鞘師さんが卒業するのが必然のようにも思えました。
鞘師さんはダンスにすべてを捧げられる人なのでは。そう思いました。それは決して「決意」とか「覚悟」ではなくて、ごく当たり前のこととしてダンスにすべてを捧げてしまえるのが鞘師里保という人なのではないかと、そう感じさせられるステージ上でのパフォーマンスでした。
同時に、怖さのようなものも感じてしまいました。この人はダンスに魅入られてこのままどこかに言ってしまうのではないか――。持っていた双眼鏡で咄嗟に鞘師さんの足元を確認しようとしたのは、童話の『赤い靴』が頭によぎったからです。そして鞘師さんが履いているのが赤い靴ではないとわかった瞬間は、心底安堵しました。
そんなざわつきを覚えるほどの力を、あの瞬間の鞘師さんは放っていたと思います。

赤と青

武道館公演本編ラスト曲の『One・Two・Three』、鞘師さんとふたりでツートップを担う石田さんの表情がビジョンに大写しになった瞬間、ドキリとしました。鞘師さんと向き合っているわけでも、鞘師さんを見ているわけでもない。でもその石田さんの表情には、鞘師さんに向けた表情が浮かんでいたように感じました。
その表情は、石田さんにとって鞘師さんが「特別」であることを示しているように思えました。もちろん、どのメンバーにとっても鞘師さんは特別な存在であることは間違いないのですが、石田さんが鞘師さんに向ける感情は、ほかの誰とも違っているように思えたのです。
他人が勝手に人の感情を推測するのは、傲慢であるし非礼であると思います。でもそれを承知の上で、私があのときの石田さんの表情に感じたものを言葉にするのであれば、それはやはり「愛憎」という表現がふさわしいと思うのです。