鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

水鳥みたいにね

8月19日にリリースされたモーニング娘。'15のニューシングルはトリプルA面シングル。3曲の中で、私は『今すぐ飛び込む勇気』がもっとも気に入っています。
ギターが中心となった浮遊感のあるサウンドはグッと引き込まれる感じ。娘。さんたちのパート割も、グループらしさを存分に感じさせてくれるものだと思います。


娘。の曲にしてはアクのない曲で、その面で娘。っぽくないと感じたり、物足りなく感じる方もいらっしゃると思います。しかし、そのアクのなさが現在の娘。さんたちのまっすぐさと重なりあって、この曲ならではの、いまの娘。ならではの「力」を持った曲に仕上がっていると思います。
歌詞の内容は苦悩や挫折、嫉妬もあってかなりビターなのですが、そういう感情を抱えつつも表に出さずまっすぐであろうとする姿勢が凛として尊さを感じさせてくれるのかもしれません。まさに、水の中で掻いている姿を見せない「水鳥みたいに」。



「こども扱いしないで」「孤独を耐え続けたら」。歌い出しの2音が統一された1番と2番の歌詞は、しかし視点が異なっているように思えます。
1番の歌詞は「未知なこれから」に向いた蒼い視点を感じるのですが、2番はある程度歩んできた上での「立ち止まって、振り返って、もう一度」のように感じます。だから、1番の締めくくりのフレーズは「飛び立とう」で、2番は「泳ぎ切ろう」と異なったフレーズになっているのではないかと。*1
そしてそう考えると、ミュージックビデオのラストで映る13人の娘。が、違ったポーズの13人へと変わるのも、ふたつの視点が存在しているのを象徴しているようにも思えるのです。

*1:ちなみにミュージックビデオの英訳字幕では「水鳥みたいにね」は1番では「Like a waterfowl」、2番は「Be a waterfowl」となっています