鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

Pianoforte

5月はハロプロ(広義の)関連のコンサート・ライブを2本鑑賞。1本目が、5月6日に中野サンプラザで開催された『モーニング娘。'15コンサートツアー春 〜 GRADATION 〜』です。


ツアーとしては終盤近くなった中野公演。すでにほかの会場での公演をご覧になった方の感想などである程度どんな曲が歌われるかは知っていましたが、それでもコンサート中に幾度となく「イントロに驚かされる」コンサートでした。
近年にモーニング娘。がリリースしてきた曲はもちろん、現メンバーの何人かは生まれる前に(!)リリースされた、極初期といってもいい時期の曲まで、さまざまな時期のモーニング娘。の曲が歌われていました。
当然、その歌声はCDで聴けるオリジナルの歌声とは違ったものですが、まぎれもなくモーニング娘。の曲としてそれらのナンバーを歌うメンバーの姿を見ていると、今回のツアーの「GRADATION」というタイトルの意味を考えさせられました。
デビュー時とはすっかりメンバーも入れ替わっている現在のモーニング娘。。でも、それはどこかでなにかが突然変わったのではない。誰かが去ったときには見送る人がいて、見送った人がまた誰かを迎えて、そしてまた去ってと、モザイクのように加入と卒業などを変わってきたもの。いまの娘。は、デビューしたころとも、10年前とも、5年前ともまったく別の「色」かもしれないけれども、ひとつひとつの「色」にそれぞれの名前をつけて区別する必要なんてありはしない。そんなことを感じたコンサートでした。


実は、2年前の5月に同じ中野サンプラザで娘。さんのコンサートを観たとき、引っかかったというか、ネガティブな感想を持った部分がありました。
それは、フォーメーションダンスがポイントとなる近年の曲。メンバーがフォーメーションを保ったままステージセットの段差を移動するとき、移動するメンバーが「振りの中で移動する」のではなく「ただ段差を降りている」ように見えたところがありました。そこでひとつの曲の中での流れが途切れてしまっているように見えたのです。
今回のコンサートでも、近年の曲でフォーメーションダンスが披露され、動きの中でメンバーがステージ上の階段を移動する場面も何度もありました。その動きは、まるで段差を移動していることを感じさせないようなもの。2年前と同じステージに立っているメンバーの経験を感じた場面でした。


今回のコンサートのオープニングでは、最近の曲『時空を超え 宇宙を超え』を思わせるピアノのサンプリングが印象的な曲が流れていました。ビジョンにもピアノの鍵盤が映し出され、ピアノの映像はコンサート本編中にも用いられていました。
楽器のピアノの古い呼び名は「ピアノフォルテ」。ピアノ以前の鍵盤楽器では出せなかった強弱を表現できることから、音楽用語の「ピアノ=弱く」と「フォルテ=強く」に由来するものです。
ときに、繊細に。
ときに、力強く。
2015年5月に観たモーニング娘。'15は、まさにピアノのように多彩な表情を魅せてくれました。