鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

ハロプロ楽曲大賞2013

今年も『ハロプロ楽曲大賞2013』に参加いたしました。
私の投票内容は以下のとおりです。

楽曲部門

  1. 『春のグラデーション』空野葵(CV:北原沙弥香):3.5ポイント
    ファンク、ソウルのテイストを感じさせつつもマニアックに寄ることなく、さわやかなポップ・ソングへと巧みに昇華させた1曲。シュガー・ベイブあたりに通じる雰囲気を感じたりもします。
    サウンドの軸となっているギターの音は、どれも使われている楽器のナチュラルな鳴りを大事にして録られている印象で「そこで音が鳴っている空気」を感じさせてくれます。すべてのパートが生演奏というわけではないようですが、ひとつの部屋にミュージシャンが集まって演奏している光景が浮かんでくるようなサウンド。もちろん、その音に乗った北原さんの声は伸びやかで、ひたすらに心地よさを味わわせてくれる曲です。
  2. 『私が言う前に抱きしめなきゃね』Juice=Juice:2ポイント
    急き立てるように刻まれるリズムやアグレッシブなイントロ・間奏のフレーズが、歌詞の内容と相まって「進んでいく」女の子の危うげな心理をヴィヴィッドに描いていく感じがたまりません。モチーフとしては『行くZYX! FLY HIGH』や『まっさらブルージーンズ』に通じるところもあり、ある意味でハロプロに欠かせないタイプの曲なのかも。歌詞に挑発的な言葉を散りばめつつもあざとくなっていないのは見事なバランス。
  3. 『NEXT MY SELF』真野恵里菜;2ポイント
    これまでの歩みを振り返る歌詞を力強く歌い上げる、まさに真野さんのハロプロ卒業というひとつの節目を飾るにふさわしい曲。歌手・真野恵里菜の原点と言えるインディーズデビュー曲『マノピアノ』の歌詞の一節を「ひとりでそうよ ピアノ弾いてた」と、ほぼそのまま、しかし違った意味合いを持つように織り込んでいるのも実に心憎いです。
    サウンド的には、Aメロで同じメロディの繰り返しでもバッキングのピアノの和音の積み方を変えることで変化をつけ、曲の後半に向けて盛り上げていくところに上手さを感じます。
    別バージョンと謳われているわけではありませんが、ベストアルバム『BEST FRIENDS』に収められたピアノのイントロが加えられたバージョンが個人的にはより好みです。
  4. 『Happy大作戦』モーニング娘。:1.5ポイント
    バトンを渡すようにメンバーひとりひとりに加入順で受け渡されていくソロパート。アコースティックギターが印象に残るサウンドはむしろ最近の娘。曲では異色となるのかもしれませんが、歌詞の内容もメンバーたちの等身大の部分をのぞかせるようで、やはりこの曲は(リリース時点での)「いまのモーニング娘。」のテーマソングと言える曲だと思います。
    決して底抜けに明るいわけではないメロディに乗せて「Happy」を歌うところが、ただ与えられるのを待つだけではない、自分で作る「Happy」という意志を感じさせてくれます。
  5. 『いつもとおんなじ制服で』モーニング娘。 [鞘師里保鈴木香音佐藤優樹工藤遥小田さくら]:1ポイント
    イントロに続き歌声が流れ始めた瞬間、十代前半の他愛もなくて、でもかけがえのないキラキラ感があふれ出してくる。バックトラックはむしろ無機的でもあるのですが、そこにあたたかな感触の世界を作り上げているのは間違いなくメンバーの歌声。その“声の力”を改めて確認することのできた1曲でした。


今年は1位に選んだ『春のグラデーション』の印象がとにかく強かったです。この曲は真っ先に選び、2位の『私が言う前に〜』もすんなりと。しかし3位以降はかなり迷いました。改めて対象曲のリストを眺めつつ考えて選んだ順位です。個人的には真野さんのリリースが少なかったこととBuono!のリリースがなかったことが大きかったかなと思っています。
ほかに候補として考えたのは、娘。『君さえ居れば何も要らない』『トキメクトキメケ』、原曲とイメージを変えたアレンジが新鮮だった℃-ute『この街』、Juice=Juice『ロマンスの途中』、吉川友さん『ずっとずっとずっと君がスキだ』『TO BE...』、北原さんの『昨日の恋はどこ吹く風』。

MV部門

  1. わがまま 気のまま 愛のジョークモーニング娘。:2.5ポイント
    AメロからBメロ、タムの音が入りサウンドにも変化があるのに合わせて衣裳が別パターンとなるカットにドキリとさせられました。白黒の衣装では客席に向かって踊り、スーツでは客席に背を向ける。歌詞の内容とも相まって“対比”が表現されているように思えます。
  2. 『雨の降らない星では愛せないだろう?』中孝介 feat.高橋愛:2ポイント
    表情を失ったようにモノクロームの中にたたずむ高橋さん。中孝介さんがカメラに収める「生きるもの」の色が移っていくようにモノクロームの世界は色を得て、高橋さんが歌い出す――。「歌が生命を伝える。歌が喪失を回復させる」という“歌の力”を表現したような構成が印象深かったです。モノクロームの中の高橋さんと力強く歌う高橋さんの対比が、女優としての高橋さんも見せてくれます。

    YouTube配信の動画はショートヴァージョン
  3. カフェオーレのうた』きっかレン:1.5ポイント
    女性ひとりと男性ふたり、気のおけない関係の3人が過ごす楽しい時間を描いた……ように見えて男同士の探りあいのように思わせる場面もあるのが想像を広げさせてくれるところです。そして女性(吉川さん)は無自覚なのか、あるいは気づいているのか、どちらとも読み取れない表情は歌詞にもあるように「あいまい」。曲ののどかさとは別のイメージも沸かせてくれるビデオクリップでした。


今回、どの曲に投票するかを考えていて気がついたのですが、最近はYouTubeでのビデオクリップ配信で楽曲を初めて聴くことが多かったためか、映像の印象と楽曲の印象が一体になっていることが多かったです。
そのため、投票にあたって「自分はこのビデオクリップのどこが印象深かったのだろうか?」と改めて考えてみると実は映像の印象ではなくて楽曲の印象であることも少なくなかったり。
というわけで、実はMV部門は当初考えていた候補曲とはかなり違った投票内容となりました。改めていくつかビデオクリップを見直し、映像の印象が強かったものを選んだ結果です。
ほかに迷ったのは娘。のダンスの魅力を映像に巧みに記録した『ブレインストーミング』『Help me!!』、廃墟の風景が鮮烈だった℃-ute『愛ってもっと斬新』。また、吉川さんの『Valentine's Radio』『チョコレート魂』は2曲につながりがあって面白かったのですが、2曲1組ゆえにどちらか単独では投票しにくく、3曲の枠には残念ながら入れられませんでした。

推しメン部門

  • 保田圭
    理由は大変長くなるので割愛させていただきます。

今年は各部門どんな結果になるか、発表を楽しみにしています。