UPDATED
たとえば、キャリアの長いシンガーであったりバンドであれば、過去の自分の楽曲を新たにレコーディングし直すというのは珍しいことではないわけで、娘。さんが過去の曲をセルフカヴァーする「Updated」アルバムをリリースすると知ったときには、それはすごくアーティスト的であるなという感想を抱きました。
で、実際にアルバム収録曲を聴いていてふと思い出したのが、この2枚のアルバムです。
- アーティスト: 高橋幸宏
- 出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
- 発売日: 2009/03/11
- メディア: CD
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
前者は高橋幸宏さんが1993年に過去の曲を全曲アコースティックなアレンジでセルフカヴァーした、後者は1995年にムーンライダーズが過去の曲を全曲レゲエアレンジでセルフカヴァーしたアルバムです。
決して当時、幸宏さんやライダーズがアコースティックやレゲエに傾倒していたということはなく、どちらも「ある特定のスタイルで過去の楽曲をリメイクする」というコンセプトに立って企画されたアルバムと言えると思います。
さて話を娘。さんに戻して。
いまの娘。さんは、シングルでEDMというひとつのジャンルにくくられる楽曲が続いているということが大きな特色になっていると思います。過去にもディスコ風、ファンク調といった雰囲気の曲が続くこともありましたが、ここしばらくの娘。ほど、楽曲のスタイルが一貫しているのは初めてだと思います。
だから、過去の楽曲を「現在」にあわせてリメイクすることが、EDMというスタイルでリメイクするのとイコールになる。
「時期」と「楽曲のスタイル」が不可分なほどにリンクしている。そういう現在の娘。はすごく面白いなと、このアルバムを聴いて改めて思うところです。
- アーティスト: モーニング娘。
- 出版社/メーカー: UP FRONT WORKS Z = MUSIC =
- 発売日: 2013/09/25
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (65件) を見る
EDMというスタイルでリメイクするということは、楽曲によっては、その大きな魅力である過去の洋楽などからの引用という要素を失ってしまうことでもあるわけですが、今回のアルバムの曲は、絶妙なさじ加減で難しいバランスをとっていると思いました。
個人的には、道重さんの歌声と電子音の相性の良さを再確認させてくれる『歩いてる』のUpdatedヴァージョンが気に入っています。