原点

真野恵里菜さんの新曲『NEXT MY SELF』は、真野さんのハロー！プロジェクト在籍中にリリースするラストのシングルとあって、真野さんのこれまでの歩みを感じさせる曲になっています。

ひとりでそうよ ピアノ弾いてた

と、インディーズデビュー曲『マノピアノ』の歌詞の一節が、ほぼそのまま使われているのも、それを象徴しているようです。
しかし同時にそのフレーズが『マノピアノ』とは違った意味を持って響くのは、真野さんが積み重ねてきたものを示しているように思えます。ただ最初にいたところに戻ってくるのではなく、螺旋を描くみたいに、上にのぼりながら原点を確かめるような。

全編にわたって印象に残るピアノの音も、ピアノ弾き語りでデビューした真野さんのイメージを呼び起こします。
そのピアノのバッキングは、Ａメロの同じメロディの繰り返しでも和音の重ね方が異なって軽やかな変化を感じさせるのが、個人的に好きなところです。

カップリング曲『青春 レインボウ』も、タイトルのとおり「雨のあとの虹」をモチーフにした歌詞で、やはり『マノピアノ』の

この雨　あがったら

というフレーズとリンクしているように感じました。

実は、ハロプロからの卒業を前にした曲ということでこの曲に対して感傷的な印象を持っていたのですが、ＣＤを購入しパッケージを開けたときに目に入った、歌詞カード裏面の駆け出す真野さんの写真に、明るく前向きなイメージを抱くことができました。