鉄よりつよいもの。(旧)

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『誠 とびだせ新選組』

10月29日で小川麻琴さんがめでたく25歳に。
その小川さん24歳最後の出演作となった(笑)、ミュージカル『誠 とびだせ新選組』を、10月26日に紀伊国屋サザンシアターで観てきました。
現代へとタイムスリップしてきた新選組の面々がある事件へと巻き込まれていき、彼らと出会った若者たちが新選組とともに事件の解決に奮闘するというストーリーで、小川さんが演じるのは小さな劇団の女優・典子。劇のヒロイン的存在です。


すでに公演は終わっていますが、以降は「続きを読む」で。





小川さん演じる典子は物語のキーとなる役でもあり、ダンスシーンにソロ歌唱、男装の袴姿での殺陣と見どころもたくさん。特にダンスシーンでは、小川さんの周囲はちょっと重力違ってる? と思うほど軽やかなダンスを見せてくれました。さらにある場面ではナース服姿になっていたのもポイントだ(笑)。
そして今回のミュージカルは、実際の劇場の舞台を「劇の中で劇団が公演している舞台」に見立てて、客席まで演技の場とする手法が冒頭から何度か使われるのですが、劇の終盤では小川さんを含むメインキャストが客席の通路を歩いてくるという趣向もあり、実は割と通路に近い席だったのでけっこう驚きました(笑)。
シリアスになりすぎることもなく、軽くなりすぎることもなく、伏線を回収して終わる気持ちよさのあるミュージカルでした。
来年公開予定の映画版では小川さんが演じたのと同じ役を新垣里沙さんが演じるわけで、新垣さんはあの場面をどう演じるのだろうかと、そんな楽しみも沸いてくる舞台でした。


ただ、ですね。
個人的には、もし再演があったとしても、ぜひご覧くださいお勧めですとはちょっと言いづらいところがあるのですね。
この舞台では、現在の日本と外国の関係にかかわることが、ストレートなセリフとして出てきます。また「悪役」となる現代の政治家も、実在の政治家を容易に連想するような設定になっています。おそらく、作・演出の方の「日本はどうあるべきか、日本人はどうあるべきか」という思想が、劇の内容やセリフなどに色濃く反映しているのだと思います。率直に書いてしまうと、小川さんに(新垣さんにも)こういうセリフは口にしてほしくないかな、と思うところもありました。
そういう部分は、観る方によっては受け入れにくい作品かもしれません。フィクションのエンターテイメントとして割り切って観るのは難しい作品かなと、私は感じています。