鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

A Voice for you

9月30日、渋谷のSARAVAH東京で開催された小川麻琴さんのライブ『Acoustic Live 2012 Autumn Stage 〜for you〜』夜公演を観てきました。


開催日の9月に合わせてライブは竹内まりやさんの『September』で幕開け。
あいにくと台風接近の悪天候の中での開催だったため、1曲目を歌い終えた小川さんはトークの中で「みなさんの勇気に」感謝みたいなことを言って客席から笑いが起きたり(笑)。
続いては、モーニング娘。のナンバー『声』を含めた3曲。
秋にちなんで「スポーツの秋」から、木登りをしてケガをするくらい活発だった子供時代、小学生のときにSPEEDを見てアイドルになろうと決めた話、お母さんがオーディションの記事を見つけてきて娘。オーディションを受けた話と続け、懐かしのアイドルソングを2曲。
盛りあがったアイドルソングのあとは、最近始めたダイビングの話と、ずっと続けている英語の話。そこから、ライブで必ず1曲英語で歌うようにしていると、ジャクソン5のナンバーをもちろん英語詞で披露。
後半は、応援してくれる人や、支えてくれる人への感謝の気持ちを伝え、しっとりと歌いあげる3曲で本編は終了。

アンコールは以前のライブでも歌った『時代』、サビは会場全体で一緒に歌った『世界に一つだけの花』で幕を閉じました。


この日のライブ、全体の構成がすごくよかったと思います。アイドルに憧れた子供のころの話をしたあとにアイドルソング、というように、トークと曲の流れが自然な感じがしましたし、後半、お母さんがオーディションを勧めてくれたからいまこうして歌える、応援してくれる人がいるからこうして歌える、という話に続いての『秋桜』『言葉にできない』『風信子』は、歌で気持ちを届けたいという小川さんの想いが伝わってくるようでした。まさに「for you」というライブタイトルのとおりに。


そして、私にとってはモーニング娘。の『声』が歌われたことがすごく嬉しかったです。ピアノのイントロに続いて印象的なあのフェイクのフレーズを小川さんが歌い出したとき、思わずちょっと涙が出そうになってしまいました。
『声』って、もちろん小川さんの娘。在籍時の曲で、コンサートツアーで小川さんも含めて当時の娘。全員で歌っていますが、2006年秋ツアーの印象などもあって「新垣さんと高橋さんの曲」というイメージが私の中ではあったんですね。
今回のライブがおこなわれた9月30日は、武道館のステージに5期メンバーが集まった2011年9月29日から1年。その日に、小川さんがソロで『声』を歌うのが、大きな意味を持っていることのように思えたのです。
今回の『声』は演奏も素敵でした。生ピアノ、アコースティックギター、パーカッションの3人編成で、しっとりしつつも1コーラスあとからの盛りあがりは情感豊かで素晴らしかったです。


サポートのメンバーは、前々回、前回のライブに続いて、パーカッション・関口源八さん、ピアノ・桜田ひろたかさん、アコースティックギター・古澤衛さんのトリオ編成。
グランドピアノを弾く桜田さんの演奏は流麗でかつエモーショナルで、特に『声』のグリッサンドも織り交ぜながらの演奏は、ピアノが全体を引っ張るビートを生み出しているようでグッときました。
古澤さんはストロークアルペジオというアコースティックギターらしいプレイに加えて『September』や『I Want You Back』では原曲のアレンジを彷彿させるエレキっぽいグルーヴィーなカッティングも聞かせてくれました。ちなみにギターはたぶんテイラー。現行レギュラー品にはないフローレンタインカッタウェイのモデルでした。
源八さんはカホンを中心にさまざまなパーカッションを駆使して、リズムの要となると同時に華やかな彩りを添える、このバンドの核という印象。『少年時代』でのマーチング・ドラムは印象的でした。それから『I Want You Back』では古澤さんとともにコーラスも担当してくれたのですが、源八さんはボーカルマイクが立ってないにもかかわらず会場後方でもしっかり声が聞こえてくるという(笑)。それが源八さんのパワフルさを象徴しているように思えました。
書いてて思ったんですけど、このバンドって3人とも、力強い線で細やかで美しい絵を描くみたいな、ダイナミックな繊細さを感じるんですよね(笑)。その3人が生み出すのはすごく心地よい音楽。
小川さんは、その頼れる3人の男たちが生み出す音にしっかりと乗って歌を聴かせてくれました。娘。時代から魅力的だったファルセットが今回はとりわけ気持ちよく響いていたように感じました。


小川さんのソロライブも何度目かとなりますが、今回がベストと思える、そして次の機会がまた楽しみとなるライブでした!
(と言いつつ私はクリスマスライブに行くのが難しそうなんですけど…。)

セットリスト

    1. September(竹内まりや
    2. 少年時代(井上陽水
    3. 声(モーニング娘。)
    4. マリエ(ブレッド&バター
    5. 大スキ!(広末涼子
    6. 私がオバさんになっても(森高千里
    7. I Want You Back(The Jackson 5)
    8. 秋桜山口百恵
    9. 言葉にできない(EXILE ATSUSHI *1
    10. 風信子松浦亜弥

*1:オリジナルはもちろんオフコースの曲ですが、今回小川さんが歌ったのは曲の構成、アレンジなどカバーヴァージョンを参考しているように思われるので、あえてEXILE ATSUSHIの曲として表記しました