『Song for the DATE』

真野恵里菜さんの新曲『Song for the DATE』で印象に残るのは、音のバランスの特異さです。前面に目立って聞こえるのはリズムを刻むキックやベースの音で、本来主役であるはずのボーカルはやや奥へと引っ込んで、どこか半透明の膜を通して聞こえてくるような感覚を覚えます。
「僕ら」という一人称で歌われる歌詞は自己の内面を見つめるような内容。１枚膜を通したようなボーカルはインナーワールドの声のようにも聴こえ、だからこそ、その膜を越えて直接響く“あるフレーズ”は強い力を感じさせます。

カップリング曲『青空が笑ってる』は軽快なロックナンバー。サビ入りでベースが比較的高い音での８分ルート弾きをすることでサウンドの重心が上に移動し、歌詞と相まって青空へ向かう開放感を感じさせているのが気持ちいいところです。

Song for the DATE (通常盤)