FRAGILE抱えた女の子たち
スマイレージの『プリーズ ミニスカ ポストウーマン』は、打ち込みのビートと時代を越えたポップ・ミュージックの王道ともいうべきオーケストラ・サウンドの融合が気持ちいいです。
印象的なのが歌い出しのフレーズ。和田さんと田村さんのボーカルが完全に左右に振り分けられていて、推測ですけどレコーディングのときにあえて「揃える」ことを意識させずに歌わせたんじゃないでしょうか。もともと、歌詞のイントネーションとメロディラインの上下が一致していなかったり、音節とリズムが揃っていなかったりでなんと歌っているのかわかりづらい部分なのですけど、それが左右に分かれたふたりの声で歌われることで不思議な響きとなって、ちょっと「恋の呪文」のようなニュアンスも感じられます。
歌詞は、タイトルの元ネタである『Please Mr.Postman』が文字通り“Postman”に「彼／彼女からの手紙はないの？*1」と呼びかける気持ちを歌った内容なのに対し、この曲の“ポストウーマン”は、恋する相手にまっすぐ気持ちを届けられる“なりたい私”の象徴となっています。誰かに頼るのではなく、自分の力で想いを伝えられるようにという、前向きな女の子の気持ちが爽快です。
ビデオクリップも実にキュート。ただ、郵便局の場面で「楽しそうに笑う女の子がFRAGILE＝壊れやすいものを抱えている」というカットは、ちょっと意味深いカットに思えなくもありません。
