鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

表裏

娘。さんのニューアルバム『12,スマート』が先週リリースされました。収録曲の一部はすでにラジオ番組でオンエアされたりコンサートで披露されていましたが、1枚のアルバムというかたちで聴いてみると、以前に聴いたときとは異なった印象を受けることも少なくありません。


アルバムのオープニングを飾る『Give me 愛』の「励ますくらいしか出来ない私」という一節が鋭く刺さってくるように感じたのは、この曲がまさに「君を励ます」歌である『Only you』へと続く曲順で収録されているからです。「励ます」ことの無力さに揺れる『Give me 愛』と、力強く「君を励ます」『Only you』。
『Give me 愛』の「ねえ 未来は どんな色になるの」というフレーズも、未来への希望を提示する『Only you』の裏返しのように見えます。そして、「こんな風に人を スキになるのなんて もっと先だって思ってた AH」という『Give me 愛』のフレーズは、「誰かへの深い想いを抱くのはまだ先のはず」という自身の幼さを歌っているようにも思え、それは『Only you』の「ちょっぴり 幼いけれども」というフレーズに呼応しているように思えます。


『Give me 愛』と『Only you』は、対になる曲ではないかと思います。『Only you』という強い決意の影にある弱さとしての『Give me 愛』。あるいは『Give me 愛』という不安を経ての『Only you』という決意。
ふたつの曲が、互いにそれぞれの曲の世界をより広げているように感じられます。

12,スマート

12,スマート