想うこと、励ますこと。
娘。さんの『Only you』は次のようなフレーズで歌い出されます。
愛しの君へ
いつもの I Love You
大丈夫 君ならできるよ
怖がらないで
愛しの君へ
いつもの Yell for you
ちょっぴり 不器用な私
まっすぐ愛するから
貫いてね
「I Love You」と「Yell for you」。それに続くフレーズは、むしろ「大丈夫 君ならできるよ」が「Yell for you」に続き、「ちょっぴり 不器用な私/まっすぐ愛するから」が「I Love You」に続いて歌われたほうが自然な感じもあります。
しかし、それがこの順番で歌われているのは、君を想う「I Love You」と、君を励ます「Yell for you」が、違ったかたちに見えても、それは同じ気持ちから生まれているんだよというメッセージが込められているから。そんなふうに思います。
そして、次にこのメロディが歌われるとき、そこに乗っているのは次の歌詞です。
愛しの君へ
一途な I Love You
〜(略)〜
愛しの君へ
無限の Yell for you
「いつもの」から「無限の」へと、日常からより大きなスケールへのジャンプがここにあります。*1そこにあるのは、誰かに向けるパーソナルな想いは、もっと大きな愛へと地続きのものだから、誰かへの想いを歌えればいいんだよというメッセージではないかと思うのです。
*1:ここでは「愛しの/いつもの/一途な」と「い」+タ行での頭韻から「無限の」と、音の響きも変わっています。音の響きと歌詞の視点が同時に変化していることが、より効果を高めています。