演じることと歌うこと

高橋さん卒業発表について思ったことを、もう少し。

高橋さんの卒業後の活動について、オフィシャルサイトに掲載されたつんくＰのコメントの中では「音楽を中心に舞台やライブ活動を続けて行きます」と触れられていました。
もちろんこれは、これまでに卒業していった娘。ＯＧの現在の活動状況も踏まえてのコメントだと思うのですが、「音楽」と「舞台」とが並んで挙げられているのが、私の中ではすごくしっくりくる感じがありました。

私は昨年夏秋の娘。ツアー『ライバルサバイバル」を３公演観て、３公演すべてで高橋さんのソロコーナーがありました。最初に観たときから、高橋さんのソロコーナーはコンサート全体の中で異質な部分だという印象をなんとなく感じていました。
その理由が明確にわかったのは、横浜アリーナでの最終公演を観たときです。
コンサートって、ステージの上に娘。のメンバーがいて、それぞれ「新垣里沙」や「亀井絵里」「道重さゆみ」「田中れいな」「光井愛佳」「ジュンジュン」「リンリン」として歌っているわけですよね。高橋さんも、ソロコーナー以外では「高橋愛」としてステージに立っています。
だけどソロコーナーでは、高橋さんは「歌の主人公」としてのみステージに存在しているんだなと思ったんです。だから、歌い終わってからも、笑顔を見せたりはしないし、客席からの声援に応えることもない。それは、お芝居で役を演じているときと同じなのだと思ったのです。

高橋さんの中では、歌を歌うこととお芝居を演じることに境はないのではないかと思います。「歌」か「お芝居」かで区別するのではなくて、作品ごと、曲ごとに、どう自分が舞台の上で表現すべきなのかを選択しているように思えました。

だから「音楽を中心に舞台やライブ活動」というのは、高橋さんにとってひとつながりの「表現」をこれからもおこなっていくという、ごく自然な活動の方向であるように感じています。