『愛しく苦しいこの夜に』

アルバム『Fantasy！拾壱』収録のこの曲、リリース前にラジオで流れたのを聴いて印象に残っていた曲でした。
空間の広がりを感じさせるサウンドのもたらす浮遊感が気に入っていたのですが、たしか曲が途中までしかかからなかったこともあって、歌詞の内容はその時点ではほとんど気には留めていませんでした。
そしてアルバムを入手して、改めて歌詞カードを見つつ聴いていると……。
はあ、こういう歌詞だったんですか。
“それ”だけって言ってしまえばそれだけな題材を、下世話さを感じさせずに透明感あふれたロマンティックなラヴソングに昇華させているのがすごいと思います。
そして、この曲のポイントとなるのはやはり亀井さんのボーカルだと思います。独特の節回しと言いますか、譜面だけでは表現できないような優しく滑らかなニュアンスをメロディに与えていて、それがこの曲を貫く柔らかさを生み出していると思います。

Fantasy!拾壱