鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

どっちが先か

この前書いたことの続きっぽく。
1980年代終盤から90年代にかけてのアイドル歌手衰退について「歌番組が減少したことで活躍の場が少なくなった」みたいな説明を目にすることがあります。たしかに当時を知っている者からすると実感としてそれはあるんですけど、その説明ってちょっと「ニワトリとタマゴ」的なところもあるよなあって気もするのです。
どういうことかっていうと、もし「アイドル歌手」という存在に需要があれば、その活躍の場は作られるはずですよね。でも当時そういう場がメジャーなシーンからは消えてしまったというのは「アイドル歌手」への需要自体が減っていってしまっていたからだと思うんですよ。送り手の側も、受け手の側も。
やっぱり、80年代後半にみんなの意識が変わっちゃったんですよ。実は歌わなくてもいいんだってことにみんなが気づいてしまった。受け手にしてみれば、歌手じゃなくて女優さんだろうがCMだろうが、魅力的な女の子がメディアで活躍していればいいし、送り手も歌以外の選択肢を選べるようになってしまった。そうやって「アイドル歌手」ってジャンル自体が衰退していったんだと思うんですよ。


現在は、一見するとまたアイドル歌手への需要が復活しているようにも見えます。でも、実はおそろしく脆弱なバランスの上に成り立っているんじゃないかって気がしています。
個人的には遠くない将来にアイドル歌手って存在が終焉を迎えてもおかしくないと思っていますし、その決定をくだすのは「ファン」の側だと思っています。