鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

楽器フェア2009

楽器フェア”という催しが2年に1度開催されています。モーターショーの楽器版みたいなものというとイメージしやすいでしょうか。いろいろな楽器メーカーが製品展示などをおこなう大規模なイベントです。
私は昔そこそこ楽器を真面目に弾いていたころは会場が池袋サンシャインシティと行きやすい場所だったこともあり行ったことがあるのですが、ここ数年、会場がパシフィコ横浜となってからは足が遠のいていました(姉妹イベントである大楽器祭には永井ルイ氏のデモ演奏目当てで行ったことがあります)。
それがここしばらく個人的にちょっと楽器熱が再燃していまして、気分転換も兼ねて、という感じで行ってきました。
いろいろな楽器メーカーの製品を見たり、普段はなかなか触りづらいような楽器も試奏できるのは楽しいものでした。
各メーカーがそれぞれのブースに趣向を凝らした展示をしている中、特に面白かったのがヤマハミュージックトレーディングが扱っている“フィッシュマン”というメーカーのブースでした。アコースティック楽器用のピックアップマイクで知られるメーカーなのですが、社名にちなんでかブースの見た目を“魚男”という暖簾を掲げたお寿司屋さん風に。試せる製品を“お品書き”にしてあったりと、細かいところまで凝っていました。やはり受けていたようで、写真を撮っている人もかなり多かったです(私はカメラを持っていってなかったしケータイのカメラはあんまうまく撮れないんで写真なしですスミマセン)。
あと展示内容で個人的に注目だったのが、エレキギターメーカーの老舗・フェンダーのブースで、数年前に生産終了となったサイクロン(Cyclone)というギターがセカンドブランドのスクワイアの製品として参考出品されていたことでした。このサイクロン、プロミュージシャンにも愛用者がいて隠れた名器的存在になっているモデルです。スタッフの方に聞いてみたところ、今回はあくまで参考出品として出しているけれどうまくいけば年内には…というようなお話でした。ただし生産したとしてもあくまでFSR(Factory Special Run)という、限定生産のような扱いとなるそうです。


さて、楽器フェアでは展示のほかにミュージシャンによるデモ演奏やミニライブなどもありまして、今回はこの方たちのミニライブも観てきました。

コルグのイベントとして開催された、“ULTRA SLACKER Live”。ソロアーティストの中島卓偉さんが元・バービーボーイズのイマサこといまみちともたかさんのプロデュースによるアルバム『ULTRA SLACKER』リリースにあわせて活動開始となったアルバムと同名のバンドのライブです。なぜ鍵盤楽器メーカーというイメージの強いコルグのイベントとしておこなわれたかというと、コルグが代理店となっているメーカーVOX*1のギターをイマサが最近愛用しているから、というわけです。
このイベントは展示フロアとは別フロアのライブスペースでおこなわれたのですが、これは楽器フェアならではかなと思ったのは、普通なら観客の多くが正面に場所をとろうとするはずのところ、イマサの立ち位置側に来る人も少なくないところでした。かくいう私もイマサ側で鑑賞。
時間は1時間足らずでしたが、アンコールもある充実した内容のライブ。そのアンコールのみイマサがテレキャスターモデルのギターを使用したのですが、曲が始まってすぐストラップが外れてしまうというアクシデント。イマサはステージ最前面へと歩み出て、ステージに座った姿勢でギターをかき鳴らし、マイクスタンドが使えないのでコーラスの部分では卓偉さんが寄り添うようにしゃがみこんで1本のマイクで歌っていたのが、予期せぬアクシデントとはいえ実にカッコよかったです。曲が終わるとイマサが無造作にギターを置いてステージを降りたのがまたカッコよかったのです。


そして、今回の楽器フェアに行ってよかったなと思うことがもうひとつありました。
楽器フェアと同時開催というかたちで“プレミアム・ギター・ショウという、高級ギターやヴィンテージ・ギターの展示もおこなわれていました。その中のあるヴィンテージ・ギター・ショップが、先ごろ亡くなった加藤和彦さんが使用していたギターを展示していたのです。

まさにこのビデオクリップで弾いているVOXのティアドロップ型ギターです。スタッフの方に聞いたところ、そのお店は「加藤さんによくしていただいていた」とのことで、お別れの機会として展示したということでした。
ほんとに手を触れようと思えば触れられるくらいの距離で(畏れ多くて触れられませんが)そのギターを見ていると不思議な感覚を覚えましたが、やはりそれは貴重な体験であったと思うのです。

*1:どうも事実上は単なる代理店ではないようですけど