Who's your enemy?

いろいろな方のブログを読んでいると、アーティストや、さらにその背後にいる作り手たちについての批判的なテキストを見かけることがあります。
それが、たとえばアーティストについて「この発言はよくないのではないか」とか、スタッフサイドについて「このイベントでのこういうやり方はよくないのでは」などという具体的なものであれば、ひとつの感想、意見としてわかるのですけど、ある言動だったりなにかしらの事柄をもとにして、人格や姿勢を云々するような文章を読むと首を傾げたくなります。
だって、そこで云々されているのは書き手自身が作り上げたイメージなんですから。
「向上心もなく遊び感覚でやっているだけ」「目先のことしか考えてない守銭奴」。ネガティブなアーティストの人格やら作り手の姿勢やらを自分で勝手に作り上げて、それに対しての批判を展開していく。まるで誰もいない部屋でひとり取っ組み合いをやっているような滑稽さと奇妙さを感じます。

さらに書けば、そうして作り上げられたネガティブな像というのは、往々にして書き手自身の投影になっていると思います。
あなたが糞だの屑だのと罵っている相手は、たぶんあなたの影だよ。
そんなふうに言いたくなることもあります。

まあ、偉そうなことを書いてはみましたが、私自身、自分が過去に書いた文章の中に己の醜悪さを見出して、愕然とすることもしばしばです。
所詮、私らが見ているものなんて幻想に過ぎないわけで、だったらなるべく幸せな幻想を見たいやね。