悲しいときも涙だけじゃ 空がまた暗くなる

たしか、ＣＭソングとして使われた『パパの歌』がヒットしたころだったと思いますが、忌野清志郎が『笑っていいとも』のテレフォンショッキングに出たことがありました。私はあとで総集編で一部を観ただけなので記憶があいまいなのですが、自分は喋るのが苦手だからというような理由で、コーナーの間、ほぼずっとアコースティックギターの弾き語りで歌っていたそうです。
もう亡くなった私の母親は、特に音楽に興味がある人ではなかったんですけど、その『いいとも』を観て清志郎のことが気に入ったようでした。そのころ清志郎がわりとテレビに出る機会があったんで、テレビで見かけると「あら清志郎さんだわ」と家事の手を休めて観ていたのが記憶に残っています。
訃報の見出しには「ロック歌手」という表現が使われていましたが、およそロックなんかと縁のない人のことすら惹きつけるだけの魅力を持った、偉大なシンガーであったのだと思っています。