贅沢な時間
4月30日、Billboard東京で開催された小坂忠&Soul Connection の公演を観てきました。3月にリリースされたアルバム『Connected』のレコーディングメンバーが全員ツアーに参加するという、豪華なメンバーでのツアー。福岡、大阪、東京と3会場で12公演がおこなわれ、私が観たのは最終日の1回目、ラスト前となる公演でした。
まずステージに登場したのは小坂忠氏とドラムの高橋幸宏氏のふたりだけ。幸宏氏が人のバックでこれだけドラムを叩くのは久しぶり、自分のソロでもこんなに叩かないというような話をしてから、小坂氏の弾くアコースティック・ギターだけで『ありがとう』。私が小坂忠というアーティストの曲を知ったのが、幸宏氏のライブでのカバーだったので、最初にこの曲がふたりだけで演奏されたのはなんとも嬉しいことでした。
そしてほかのメンバーも登場して、バンドでの演奏がスタート。ここからはもう日本有数のミュージシャンたちによる至高のバンドでのステージが展開されます。『Connected』からの曲が続けて演奏され、小原礼作詞・作曲の『はぐれ雲』では小原礼夫人でありアルバムにも参加している尾崎亜美もシークレット・ゲストとして参加。中盤では30年以上前の作品となる『ほうろう』からの曲が2曲。この曲では佐橋佳幸のギターソロが絶品でした。
本編ラストに演奏された『Don't You Worry Babe』では、曲の途中でDr.kyOn+小原礼の“礼kyOn”による振り付け指導があったりという遊び心も見られました。このときふたりの指導に合わせてステージ上で悪ノリ気味に踊る忠さんがとってもお茶目でした(笑)。
アンコールでは、メンバー紹介のあと、佐橋氏の指揮によるブラスパートの演奏から始まり『機関車』。そしてゲストの尾崎亜美もオルガンで参加しての『ゆうがたラブ』で終了しました。
アンコールを含めて、約1時間20分ほどのステージ。熟練のミュージシャンたちが作り出す、贅沢な時間を体験することができました。
実は、これだけのメンバーが集まったライブということで多少構えて観に行っていたところがあったのですが、リラックスしてその場の空気を楽しんで観ることができました。
個人的には、やはりドラマー・高橋幸宏を堪能できたのが嬉しかったです。これだけ長くドラムを叩く幸宏氏を観るのは初めて。PAからの音も生の感触を伝える音になっていて、改めて氏のドラミングの独特さを感じることができました。
会場のBillboard東京は、東京ミッドタウンの4階というお洒落なロケーションに若干腰が引けるところもありましたが(笑)、ゆったりと観ることのできるよい会場でした。ライブスタート時にはステージ後ろに暗幕がかかっているのが、演奏開始と同時に開いていって、背後にミッドタウン・ガーデンの夜景が広がるという心憎い演出もありました。音楽のタイプにもよりますが、私にとっては理想的な会場です。
最後にセットリストを。今回のライブではギター・ベースを頻繁に変えていたので、どの曲でどの楽器を使ったかもついでに記録しておきます。
- ありがとう
- everyday angel
(佐橋:ST/小原:Harmony) - Hard to say、偶然と必然の間
(佐橋:ST/小原:PB) - はぐれ雲
(佐橋:GIBSON Les Paul Special/小原:SG) - Right Boots
(佐橋:GRETSCH Country Gentleman/小原:Harmony) - ふうらい坊
(佐橋:ST/小原:PB) - ほうろう
(佐橋:ST/小原:PB) - シェルター
(小坂:T5/佐橋:Taylor/小原:SG) - ラストピース
(小坂:T5/佐橋:ST/小原:SG) - Runaway
(小坂:T5/佐橋:ST/小原:SG) - Don't You Worry Babe
(佐橋:ST/小原:SG)
アンコール
- 機関車
(佐橋:ST/小原:SG) - ゆうがたラブ
(佐橋:ST/小原:SG)