至福
娘。さんのアルバムは2年ぶりのオリジナルアルバムでしたが、同じ発売日にやはり久々となる8年ぶりのオリジナルアルバムをリリースしたアーティストがいました。
- アーティスト: 小坂忠
- 出版社/メーカー: Vicctor Entertainment =music=
- 発売日: 2009/03/18
- メディア: CD
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すでに音楽活動40年を越え、60歳を越えている小坂氏。普通、その年代とキャリアのアーティストのアルバムであれば、“円熟の”といったような謳い文句が似合うところなのかもしれませんが、氏にはそんな表現は似合わない気がします。優しく、温かいその歌声は、予備知識なしで聴けばもっと若いシンガーのものと思うかもしれません。
バンドメンバーとして、小坂氏と同じく60年代から活躍する幸宏氏と小原礼氏が参加。プロデュースをつとめたのは、1980年代から日本のロック・ポップの最前線で活躍し続けるギタリストの佐橋佳幸氏。楽曲提供とコーラスではさらに若い世代で2000年代に入ってからデビューしたスキマスイッチの大橋卓弥氏と、三世代以上にまたがったミュージシャンが一同に介して作られたこのアルバム、世代を越えてひとつの作品が作られるというシチュエーションがとても羨ましく感じられます。また、幸宏氏、小原氏、佐橋氏にキーボードのDr.kyOnというバンドメンバーは、ある種私にとっては夢のバンド編成であり、まさにアルバムを聴いているのが至福のときとして感じられます。
牧師でありゴスペルシンガーでもある小坂氏らしく、愛を歌った曲が多いのですが、それは大上段に構えたり、押し付けたりするのではなく、自然にそこに「在る」ものとしての愛。
年齢を重ねるということは、自然なものとして愛を口にできるようになることなのかなあなどと考えたりしました。
自分はまだずいぶんかかりそうだなあ。