HEROES
子供のころ、ヒーロー物のテレビ番組が好きでした。まあ、今でも好きなんですけど。
シリーズ物の番組だと、以前のシリーズで活躍していたヒーローが再登場することがあります。私はそれがとても楽しみでした。
海を越えた外国から、あるいは宇宙の彼方から戻ってきたヒーローたちは、ときには髪型や衣裳が以前と違っていることもあったけど、もう2度と見られないと思っていた変身シーンや必殺技を見せてくれたり、想像の中でしかかなわないはずだった共演を実現してくれたりして、テレビの前にいた私を楽しませてくれました。
でも、その楽しさは、多くの場合“終わりの予感”に裏打ちされていました。
かつてのヒーローたちの帰還は、番組の最終回が近づいていることを否応なしに知らせるものでもあったのです。
そうか、この気持ちは子供のころにテレビの前で感じた気持ちに似ているんだ。
そう気づいたのは、中野でのエルダークラブ公演が中盤を迎えたころでした。
いま、この言葉を使うべきではないかもしれません。
でも、やはり、横浜アリーナでのコンサートを前にして、これが“最終回”となるのだ、という思いが確実にあります。
いままでにたくさんの最終回を観てきました。
いろいろな話があったけど、ヒーローたちが新たなヒーローにあとを託して次の活躍の場へと旅立っていく。
私が大好きなのは、そんな最終回です。