鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

MRD

しばらく前に音楽雑誌の記事で読んで興味を感じた話題を書いてみます。
「CDが売れない」というのは世界で共通したことのようで、海外でも若いバンドなどはコンサートではそれなりに動員があるのにCDの売り上げはそれに比べて少ない、などということも多いそうです。
そんな状況の中で、レコード会社がこれまでと異なった契約形態をアーティスト側に要求することが増えているというのです。マルチプル・ライツ・ディール(Multiple rights deal)と呼ばれるもので、従来はレコード会社はCD(やその他の媒体でリリースされる録音物)の売り上げのみを得ていたのに対し、コンサートの収益や、場合によってはグッズの売り上げ、アーティストが企業と結んだエンドースメント契約の収益まで、一部をレコード会社が得るものとする契約だそうです。そういうかたちで収益を得なければ、レコード会社はビジネスとして厳しい状況にあるということです。


で、これを読んでふと思ったのが、アップフロント・グループのやっていることってこれに近いんじゃないかと(笑)。
アップフロント・グループの場合、レコード会社とアーティストの所属事務所が同一の企業グループという特殊性によるものですが、多様なかたちでひとつの企業(グループ)が収益を得るというビジネスのかたちがすでにできているんじゃないかなと。
もちろん、だからアップフロントはすごい、先見の明がある、などというつもりはさらさらありませんが、今後の音楽ビジネスの方法として模索されていることと結果的に近いことをやっているというのは興味深いところなんじゃないでしょうか。
あと、「いいものを作れば売れる」みたいなことを言ってられない現実が日本に限らずすでにあるってことも、頭のどっかに入れておいたほうがいいのかも、と思ったりしました。