鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

Pride of

また中野エルダコンについての話です。
例によって内容に触れるので「続きを読む」で。












休業に入る前とは違う髪形になって雰囲気が変わっていたので――いや、むしろ昔の雰囲気に戻っていたというべきでしょうか。ともかくも、飯田圭織さんがステージの上に立っているのを私が確認できたのは、『I WISH』のサビが歌われているときでした。
胸が詰まるような気持ちがしました。
飯田さんの身に訪れたことについては、おそらくこの日中野サンプラザにいたほぼすべての人が知っていたと思います。その傷が癒えているのかどうか、私たちには知るよしもありません。
でも、飯田さんは歌っていました。「人生ってすばらしい」と。


どれだけの強い気持ちがあるのだろうか、と思いました。
考えてみれば、それは飯田さんに限ったことではないのかもしれません。ステージ上の10人、そしてこのときはまだステージに上っていなかったほかのメンバーも含めて、みながそれぞれの経験をする中で、私たちに見えるところで、あるいは見えないところで、ときに重い荷物を抱えてきているのかもしれません。



「だって、そういう歌詞だから」
そんな答えを出すことは簡単でしょう。だけど、彼女たちはそこに書いてあるからといって、なにも考えずに歌えるようなお人形さんの集まりではないと、少なくとも私は信じています。


誇りがあるから、だと思います。
ステージの上に立って、多くの人の前で歌い踊ることを夢見る人は、きっと世の中に数え切れないほどいるでしょう。だけどその夢を手にすることができるのは、ほんの一握りの人たちだけ。そしてステージに立った10人は、その数少ない、そこに至れた人たちなのです。
ステージから大勢の人に向かって歌える、その喜びを、その責任を知っているという誇りがあるから、彼女たちは堂々と歌えるのだと思います。「人生ってすばらしい」と。


だから客席にいる私たちは、ステージから放たれるものを精一杯受け止めるべきなんだと思います。それが観客である私たちにできるただひとつのことであり、恥ずかしいほどちっぽけだけど、私たちのささやかな誇りとなり得ることだから。