カバー悠
個人的に特に気に入ったのが『青春時代』。軽やかかつ力強いアコースティックピアノを前面に押し出したアレンジはオリジナル以上の疾走感を感じさせます。そしてそのアレンジがサビでの娘。全員のユニゾンと相まって、歌詞のテーマである若さゆえのやり場のない苛立ちや焦燥感を生み出しているのは見事です。
もう１曲『林檎殺人事件』は、原曲に含まれていたテイストを膨らまして思いっきりサンバ調に仕立てたアレンジが楽しいです。サビの「フニフニフニフニ」のフレーズで久住さんが“きらり声”で入ってくるのが秀逸で、現在の娘。が持っている武器を活かした曲に仕上がっていると感じました。
楽曲が既存のものだけに、ボーカルグループとしての娘。の現在がより強く感じられるアルバムでもあると思います。高橋さん、新垣さん、田中さんあたりの安定感はもちろん、『私の青い鳥』での亀井さんの歌声の心地良さ、要所要所でアクセントとなる道重さんの声が特に印象に残りました。
時代を越えてお馴染みになっている楽曲がほとんどだけに、全体的に楽しさあふれるアルバムになっています。一部の曲は秋ツアーで披露されていましたが、全曲をこのアルバム曲で構成したコンサートがあっても面白いかも、などと思っています。
でもってアルバムの内容とは関係ないんですけど、ブックレットの写真の光井さんは靴のサイズがあってないんじゃないんでしょうか？
