ひとつしかない甘いもの

前回の更新以来、HANGRY & ANGRYの曲を何度かMySpaceで聴いているのですが、歌詞に出てくる「プディング」という言葉の選択に唸らされます。
本来はプディングってけっこう幅広い料理を指すみたいですけど、「甘い」という形容詞がついていますし、この曲ではお菓子のプディングを指していると考えていいでしょう。
この歌詞においてお菓子は「失われつつある少女性」*1の象徴としての役割を果たすわけですが、重要なのはそれが「キャンディー」でも「クッキー」でもないこと。「キャンディー」や「クッキー」では“ありふれ過ぎ”になってしまうんですよね。おそらくこの曲がターゲットにしているであろう、周りとちょっと違っていることを好む子たちにとっては「プディング」の“ちょっと違っている感”がフィットするのだと思うのです。
それに加えて、プディングの質感からいろいろなものの隠喩としてのイメージをリスナーが想像することもできます。さらに「プディング」という半濁音から始まる言葉の響きも耳に引っかかる感じがあって、曲を印象付けるポイントとなっています。
ソングライターはここまで理詰めでは考えていないのかもしれませんが、ここでこの言葉を選択するのが優れたセンスだと思うのです。

MySpaceでの告知によると22日には別の曲の公開が開始されるそうで、さて次はどんな曲がくるのか。

*1:曲の一人称は「僕」ですが、リスナーの女性は自身を投影するはず