鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

軌跡

早朝に書いたとおり、10日夜に飯田さん、保田さんのカジュアルディナーショーを観にいってきました。
今年は娘。が誕生してから10年。その節目となる年ならではの、そしてかつてのリーダーとサブリーダーの組み合わせならではのディナーショーとなっていました。
その「ならでは」な部分は、この日演奏された曲に端的に表れています。というわけで、まずセットリストを挙げておきます。






※もしかすると、これからおこなわれる安倍さんと保田さんのカジュアルディナーショーと、セットリストや演出に共通する部分があるかもしれません。参加予定の方で、先入観なしにご覧になりたい方は以下の内容は読まないほうが良いかもしれません。






ちゃんと注意はしたからね(笑)。
以下、セットリストです。

  1. モーニングコーヒーインストゥルメンタル:保田サックス)
  2. 僕らが生きる MY ASIA
  3. HOWEVER(GLAY:飯田ソロ)
  4. CAN YOU CELEBRATE?(安室奈美恵:保田ソロ)
  5. おもいで
  6. 大切なあなた(松田聖子
  7. 天城越え石川さゆり
  8. サマーナイトタウン
  9. モーニング娘。メドレー(Good Morning/NIGHT OF TOKYO CITY/DANCEするのだ!/いきまっしょい!/Do it! Now/SEXY BOY〜そよ風に寄り添って〜
  10. 卒業旅行〜モーニング娘。旅立つ人に贈る唄〜



バンドによるジャズ調の演奏の中、サックスを抱えてステージに登場した保田さん。今日の保田さんは長い髪をカールさせていて、サックスを抱えたその姿はすごく綺麗。『モーニングコーヒー』をサックスによるインストで披露してくれました。保田さんのサックス演奏は3月のファンクラブイベントでも聴いていましたが、確実にそのときより上達しています。ちゃんと「聴かせる」演奏となっていました。
続いてサックスを置き、ピアノの奏でるエスニックなイントロに続いて保田さんが歌いだしたのは『僕らが生きる MY ASIA』。保田さんがワンフレーズ歌い終えたところで飯田さんが歌いつつステージに登場。このときの飯田さんの佇まいがああ美しい! って感じで、ちょっと鳥肌が立つくらいでした。
『MY ASIA』を歌い終えると、「娘。10年なのでオリジナルメンバーとディナーショーをやらせてもらっている」というような保田さんのMCがあって、娘。デビューのころのふたりの思い出の曲に関するトーク。そしてふたりの挙げたそれぞれの思い出の曲をソロで1曲づつ披露。このときは今までのディナーショーとは異なり、歌わないもうひとりもステージを下がらず、ステージ上の椅子で聴いているというスタイルになっていました。
娘。時代のエピソードなどのトークもあって、飯田さんが歌うのは7年振りだという『おもいで』。次いで、ふたりが子供の頃どんな子だったか、という話から、それぞれが子供のときから好きだった松田聖子さんの曲と演歌を1曲ずつ。飯田さんセレクトの『大切なあなた』はワンコーラス目を飯田さん、ツーコーラス目を保田さん、リフレインをふたりで。続く保田さんセレクトの『天城越え』は、イントロが流れ、保田さんがお辞儀をして歌いだすかと思いきや、飯田さんに歌うように促して、ちょっと照れつつ飯田さんが歌いだす、という演出もあり。保田さんは2番からコブシを利かせて歌い上げました。
ステージを降りて、それぞれ客席の離れた場所で歌いながら見事なハーモニーを聞かせてくれた『サマーナイトタウン』。再びステージに戻り、客席を煽りつつ、盛り上がり系の曲を揃えた娘。メドレー。そしてラストは飯田さんの選曲によるという、保田さん卒業コンサートで最後に歌った『卒業旅行〜モーニング娘。旅立つ人に贈る唄〜』。
公演を通して、娘。の軌跡をたどり、そしてふたりのルーツから今までをたどるというコンセプトが明確に感じられる構成でした。また、それに加えて、演歌や『SEXY BOY』などで最近の飯田さんがあまり見せない面を見せたりと、楽しませる要素も多分に散りばめた内容となっていました。
私が嬉しかったのは、娘。メドレーで『SEXY BOY』が含まれていたこと。ふたりが在籍した時期を懐かしく振り返るだけでなく、ふたりが離れてから積み重ねられたのも含めての娘。の歴史なのだという意味が込められていたと思います。


さて、今回の公演は、オープニングが保田さんのサックス演奏だったり、MCは保田さんが話題を振る役目だったことから、開始当初から「保田さんが飯田さんを迎えての公演」という雰囲気をなんとなく感じていたのですが、実際に飯田さんの口から何度か「今日は圭ちゃんプロデュース」という発言がありました。
先に書いたように、ひとつのコンセプトに基づきつつ、観客がなにを観たがっているのかを的確に掴んだ上で魅せる、すごく上質の「ショー」となっていた本公演。もし全体の構成が保田さんのアイディアによるものなのだとしたら、なかなかのプロデュース能力なのではないかと思ったりしました。


演奏をつとめたのは、ピアノに安倍さんのツアーでもお馴染みの岩崎肇さん。アコピとエレピの音を使い分け、ときにはパッドやストリングスの音も重ね、厚みのあるサウンドを作り上げていました。
パーカッションには、カジュアルディナーショーでは初の女性プレイヤーなのかな? ASAMIさん。検索してみたところシンガーとしても活動されている方のようで、今回もパーカッションに加え、ふたりのソロ曲では岩崎さんとともにコーラスも担当、特に『CAN YOU CELEBRATE?』のコーラスは素晴しかったです。
ギターは、個人的には今回のメンバーで一番驚きだった徳武孝音(たかなり)さん。安倍さんのイベントやツアーに参加していた徳武弘文さんのご子息です。シャープなカッティングやワウを使ったプレイが印象的でした。
MCで話していたのですが、ASAMIさんは飯田さんと保田さんより年下だそう。徳武さんもたしかまだ20代のはずで、これまでになく若いバンドとなっていました。飯田さんと保田さんも含めて、ステージ上で20代じゃないのって岩崎さんだけなんだよな(笑)。


今回のディナーショーは、2月におこなわれた稲葉さんと保田さんのディナーショーとは違うアプローチで、しかしすごく楽しめるものでした。
同じディナーショーでも、メンバーによって、構成によって、違った形のエンターテイメントになる。カジュアルディナーショーという形態の持つ可能性を、改めて感じさせられた公演でした。