鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

3本立てその2

2日からテレ東深夜のハロプロ枠が新番組『歌ドキッ!』になりました。実は、事前の情報を見て、歌を全面に出した番組が始まるということでかなり期待していたんです。
ハロプロ色が予想以上に薄い番組の作りだったのはまあ良しとして、本題である歌に唖然としてしまいました。
オンエアをご覧になっていない方も多いと思うので説明しますと、2日のオンエアで歌われたのはかぐや姫の『神田川』でした。1番を歌い終わったあと間奏を挟んで、うたまっぷの歌詞でいうと、2番は5行目の「いつも〜」から歌い始められました。歌詞をご覧になれば明らかなように、ここは決して歌の切れ目となる箇所ではありません。これでは2番の意味がまったく通じなくなってしまいます。
もちろん、時間の制限があるテレビ番組ですから、フルコーラスを歌うのは無理だった、というのはわかります。しかし、ならばワンコーラス+サビを繰り返すという構成にすべきだったのでは?
楽曲にはいろいろなタイプのものがありますから、曲全体の尺を優先してアレンジすることができる曲もあるのは確かです。実際、ハロプロの曲でもテレビ出演時に本来とは違った構成にして調整していることも多いですよね。それは曲作りの段階から、切り貼り(あんまり良くない表現ですが)されることをある程度想定して作られているのだと思います。
しかし、『神田川』はそういう楽曲ではありません。この曲はワンコーラスを、そして曲全体を通してひとつの意味をなすような歌詞になっています。この曲が当時ヒットし、今に至るまで多くの人をひきつけているのは、その歌詞の魅力によるところも大きいはずです。
2日の『歌ドキッ!』での『神田川』の取り上げ方は、あまりに歌詞を軽視したものであったとしか思えません。この番組は「名曲を今に受け継ぐ」ことがテーマの番組だそうですが、作り手自身がその曲の魅力を、価値を理解しないで、「今に受け継ぐ」番組が、果たして作れるのでしょうか?