鉄よりつよいもの。(旧)

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手塚ファン視点での『リボンの騎士』

私は娘。好きですが、手塚漫画好きでもあります。かれこれ四半世紀以上手塚ファンをやっているわけで、手塚作品への思い入れはかなりあるつもりです。そんな手塚ファン視点で観ても、今回のミュージカルは充分に納得できる内容のものとなっていました。
今回のミュージカルは原作『リボンの騎士』をひとつの古典としてとらえています。基本的な設定や物語という世界は尊重した上で独自の解釈をし、新たな趣向を凝らすことのできる作品として原作を扱っている姿勢が感じられました。
原作から捨て去られた部分は多いですし、物語の主題に関わる部分ですら変更点が見られます。しかし、根底には手塚作品への敬意がはっきりと感じられます。ミュージカル『リボンの騎士』は原作『リボンの騎士』と異なったものではありますが、間違いなく手塚ワールドの中に存在する作品たり得ていると私は信じます。
手塚作品は偉大であるが故に、リメイクされる際には「手塚作品はこうあるべき」という固定観念に縛られるものが多く見られます。その呪縛から逃れて新たな作品を構築すること。それこそが真に原作を尊重することだと私は思います。そして、ミュージカル『リボンの騎士』はまさにそんな作品であるのです。