鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

『リボンの騎士』に思うこと

今回のミュージカルについて書きたいことがたくさんあるので少しずつ。
ミュージカルの内容や演出に言及しますので、以下は「続きを読む」でどうぞ。





















今回のミュージカルでは、サファイアを主人公とする物語が幕を閉じたあと、娘。の歌が披露されます(それも物語の一部ではあるのですが)。そこで歌われる『Ambitious! 野心的でいいじゃん』には、今までとは違った感覚を覚えました。
今回のミュージカル『リボンの騎士』の原作との大きな相違点に、原作の主要なキャラクターである天使・チンクの不在が挙げられます。原作でのチンクの役割を果たすのは、娘。たちが演じる、生まれることを待つ生命の源のような存在たち。公式パンフでは“天使たち”と記載されていますが、超越的な存在としての“天使”ではありません。今回のミュージカルは、超越的な存在に導かれるのではなく、登場人物自身が道を切り開いていく物語なのです。
そして歌われる『Ambitious! 野心的でいいじゃん』の歌詞。「JUMP JUMP take offしようぜ! 天使の羽を持っている」
超越的な存在はそこにはいないけれど、誰もがひとりひとり道を切り開く力を持っている。そんなメッセージがそこには込められているように感じました。
それに続く「見上げれば 未来 Boys&Girls! Be Ambitious!」というフレーズも、少女と少年、ふたつの人生を同時に生きたサファイアの姿と重なるように思えます。
Ambitious! 野心的でいいじゃん』は、紛れもなくこのミュージカルで歌われるにふさわしい曲であり、このミュージカルのテーマソングであったと思えるのです。