最近読んだ小説

スポーツドクター (集英社文庫)

たまにはハロプロ以外の話題も。
最近読んで割と面白かった小説です。肉体的な怪我だけでなく、その背後にある心の問題を癒そうとするスポーツ専門の開業医と、彼の診察を受け、その後クリニックでバイトをすることになる女子高生を主人公とした作品で、４編の連作中編となっています。
スポーツ医療に関する描写は詳しく、かなりその分野に取材をしたことがうかがえる作品です。しかし、作品全体としてはリアルタッチではなく、登場人物それぞれのキャラクター付けもはっきりとしてコミカルな面もあり、ライトノベルやコミックに近い感覚で読める作品だと思います。ただ、キャラ付けがはっきりしている分、この１冊の中ではそれを充分に活躍させることができず、ちょっと物足りなくかんじてしまう感もあります。
４本の作品いずれも、終盤に“ある事実”が明かされる際、「なるほど」と思わせる巧みな伏線の張り方がしてあるのが読んでいて心地良いです。その意味では推理小説的な要素も持っているかもしれません。
主人公の女子高生とその友人、クリニックの受付の女子大生、クリニックの看護婦、医師の過去を知るスポーツライターなどなど女性キャラが豊富なので、ハロプロメンを当てはめつつ読むのも面白いかも、って結局ハロプロネタになっちゃたなｗ。