鉄よりつよいもの。(旧)

KKTのブログ『鉄よりつよいもの。』のはてなダイアリー時代(2004年から2017年まで)のアーカイヴです。新規更新はしません。現在は新しいブログ http://kkt.hatenablog.jp/ をたまに更新

SOUND DESIGNER2017年6月号

すでにけっこう前の話題ではあるのですが。
5月9日に発売された雑誌『サウンド・デザイナー』6月号では「ゼロからできるアレンジ教室」という特集が組まれています。
その特集の一企画として、現在いわゆる「J-Pop」シーンで活躍するプロアレンジャー6人のアレンジの傾向をプロが分析する企画がありまして、この企画を執筆しているのがつばきファクトリー『初恋サンライズ』のアレンジを担当された近藤圭一氏。
そして取り上げられている6人のアレンジャーの中には、田中直、江上浩太郎大久保薫ハロプロのアレンジでもお馴染みの3氏が登場*1
田中直氏についてはハロプロ曲には触れられていませんが、江上浩太郎氏、大久保薫氏はハロプロ曲についても言及され、江上氏はBerryz工房の『1億3千万総ダイエット王国』、大久保氏はモーニング娘。'17の『セクシーキャットの演説』と℃-uteの『夢幻クライマックス』が、それぞれ代表曲として挙げられています。


また、特集と連動しているアレンジコンテストのアレンジ例のひとつ、ロックをテーマにしたアレンジを、ハロプロ関係で多くの編曲を手がけている鈴木 Daichi 秀行氏が担当しております。(このアレンジ例は、サウンドデザイナー公式サイト内のコンテスト特設サイトで試聴することができます)


というわけでかなりハロプロ濃度の高い『サウンド・デザイナー』6月号、個人的にはYMCK除村武志氏の連載記事でのアニメソング『ハレ晴レユカイ』転調の分析記事も興味深く読みました。


サウンドデザイナー2017年06月号[雑誌]

サウンドデザイナー2017年06月号[雑誌]

*1:ほかにこの企画で取り上げられているのは亀田誠治、島田昌典、蔦谷好位置の3氏

『楽しい食卓』

活動再開以降、舞台出演だけに留まらず、映像のお仕事もいくつかこなされている小川麻琴さん。そのひとつが、先日よりYouTubeでの配信が始まったブランド肉「四元豚(よんげんとん)」のキャンペーンショートムービー。同ブランドのお肉を使った料理にまつわるハートウォーミングな約5分間の短編作品です。



小川さん主演の「焼豚」編を含む全4作共通のテーマソングとなっているのは、ユニット・アルケミストさんがショートムービーの内容に合わせて書き下ろした『楽しい食卓』。
小川さんの主演作ではストリートミュージシャン役の小川さんがこの曲を歌う場面もありまして、その小川さんが歌うバージョンの『楽しい食卓』のダウンロード配信が各音楽配信サイトで始まりました。

どこで購入しても1曲250円、カラオケバージョンの付いたシングルとして購入すると500円となっています。
小川麻琴」ソロ名義として楽曲の配信がおこなわれるのは初めてかな?


そして、楽曲配信に合わせて、小川さん主演の四元豚ムービーのBGMを小川さんが歌う『楽しい食卓』に変えた(オリジナル版はアルケミストさん歌唱バージョン)「小川麻琴バージョン」ムービーも公開となりました。



音で、映像で、小川さんの新曲、堪能していただきたいです。

いつかきっと

このブログでのほかの「ハロプロOG」カテゴリーの記事とはちょっと違うかもしれませんが、ハロプロ出身者に関する話題ということで。


ハロプロ研修生だった田辺奈菜美さんが在籍するグループ・OnePixcelの4月19日リリースとなる新曲、ツイッターで知りました。



シンセサウンドとギターのカッティングが印象的な、爽快感のあるポップなダンスナンバー。
個人的に大好きなのが、曲のラストのサビの繰り返しの最後の最後の一度だけ、ベースがそれまでと違う音を弾いているところです。
すごく覚えやすいメロディだからこそ、ただ繰り返しているとそのまま流れていって曲が終わってしまうと思うのですが、ここでベース音が変化することで引っかかりができるとともに、ベース音の変化で生まれるサウンドの緊張感と浮遊感がテーマ的にもこの曲の締めくくりには合っているのかなと思います。
CDリリースが楽しみです。

洗いざらい

先日リリースされたつばきファクトリーのメジャーデビューシングル、トリプルA面の1曲『初恋サンライズ』を初めて聴いたのはたしかテレビ番組『The Girls Live』でのライブ映像でした。
もちろんサウンドも好みだったのですが、インパクト絶大だったのが歌い出しのこのフレーズです。

洗いざらい さらけちゃって
古い世界 飛び出ちゃって
A Lie The Lie さらけちゃって
Fly 世界 飛び出ちゃって

日本語と英語の語呂合わせのようなフレーズはハロプロに限らずいろいろな曲で使われる手法ですが、この曲の「洗いざらい」「A Lie The Lie」というフレーズはやられた! と思いました。
続くフレーズも、国語的に正しい「さらけ出して」にしてもメロディにははまるのですが、あえて「さらけちゃって」という正しくはないフレーズを使い、次の「飛び出ちゃって」と語尾を合わせているのも実に巧みなテクニックだと感じさせられます。

この「ちゃって」というフレーズが生む「抑えられない」という感覚と、ギターのカッティングでリズムが強調されるサウンドとマッチして、急き立てられるような少女の心理を言葉とサウンド両面で表現しているように感じます。


しかし、やはり「A Lie The Lie」のインパクトが大きすぎるゆえに、タイトルの「サンライズ」も「3Lies」ではないかという想像すら湧いてきます。
だって、曲の中にセリフで胸の内を語る部分が3回あるじゃないですか(笑)。



※引用部は『初恋サンライズ』(作詞:井高日美/作曲:山田祐輔/編曲:近藤慶一)より。

もうひとつのサンライズ

ハロー!プロジェクトで現在のところ最新ユニットとなるつばきファクトリー、メジャーデビューも間近に迫り、メジャーデビューシングル収録の3曲もすでにYouTubeでミュージックビデオが公式配信中。CDのリリースが楽しみなところです。

さて、先日配信されたYouTubeオリジナル番組『アプカミ』第55回では、メジャーデビューシングル収録曲の1曲『初恋サンライズ』ボーカルレコーディングの様子を見ることができます。(25分くらいから)



このレコーディング時に流れているバックトラックの音を聴くと、完成した曲とはやや印象が異なることに気づきます。
完成した曲でもエレキギターのカッティングが印象的な曲ですが、ボーカルレコーディング時に流れているバックトラックでは、もう1本の歪んだギターが随所でキメとなるようなフレーズを弾いていたり、どうも間奏もギターソロだったようです。


ここからは私の勝手な想像ですが、当初アレンジャーが仕上げた段階では、完成したバージョンよりもギターが目立つ、ハロプロの楽曲で例えるなら℃-uteの『悲しきヘヴン』のような雰囲気も持ったサウンドだったのかもしれません。
それが、ボーカルを録り終わったあとで、完成したかたちのようにイントロや間奏に加工したボーカルを使ったり、曲中でもボーカルに目立つエフェクトをかけるようなサウンドの方向性が決定。それ合わせ、よりアーティフィシャルなサウンドを指向してギターのパートをシンセに差し替えるという作業がおこなわれたのでは。完成したバージョンでも活かされているギターのカッティングも、ボーカル録り時点より深くエフェクトが掛けられているような気もします。


そんなふうに曲の制作過程を想像してみるのも面白いことかなと思っています。


リメイク

マルコメさんとモーニング娘。'17さんとのコラボレーションによる「モーニングみそ汁、飲もうよプロジェクト」の一環として、娘。のメジャーデビュー曲『モーニングコーヒー』のリメイク曲『モーニングみそ汁』のミュージックビデオのYouTubeでの配信が始まりました。
歌詞は「コーヒー」が「みそ汁」に変更されていて、オケは原曲のイメージを残しつつ新たに作られたものなのですが、原曲とタイミング合わせて再生すると最後まで大きなズレを感じないレベルで原曲と一致しているんですよね。
新たなオケを作るにあたって原曲のベーシックなトラックをどこかに活かしている可能性も考えたのですが、原曲がリリースされた1997年時点だと現在のようなPCベースのレコーディングシステムではないでしょうから、簡単にトラックを持ってくるなんてことはできないはず。もしかすると、原曲を音声ファイルとして取り込んで、それをガイドとしながら新たなオケを作ったのかもしれません。



今回のリアレンジで面白いと思うのは、ハイハットが8分のウラを強調するパターンでリズムを刻んでいるところ。それによって、さりげなく「いまっぽい」ノリになっているのだろうと思いますし、それにあわせてボーカルのアクセントや強弱の付け方なども微妙に原曲とは変わっているかなと思います。


あと個人的には2分50秒くらいの「なぜか(こわい)」のあとの右チャンネルのギターのフレーズが大好きです。

LoVendoЯサポートメンバー

昨年12月に開催されたLoVendoЯのライブにサポートメンバーとして参加されたギターの「じろう」さん、1月27日配信のYouTube番組『アプカミ』中でメンバー岡田さんの口からこれまでLoVendoЯのアレンジなどを手がけている宮永治郎さんだとの発言がありました。
ライブ中のメンバー紹介ではフルネームは呼ばれなかったし、メンバーのブログなどでも書かれていなかったと思うので、宮永さんであると明言されたのは『アプカミ』が初なんじゃないかな。
私は以前のこのブログツイッターでサポートメンバーはおそらく宮永治郎さんと書いてきたので、間違いでなくホッとしています(笑)。



上に貼った『アプカミ』ではクリスマスライブでの『イクジナシ』ライブ映像が見られます。宮永さんは基本的に魚住さんが弾いていたパートを担当していますが、やはり魚住さんとは異なったアプローチもしているのが聴けると思います。


さて、私はLoVendoЯのクリスマスライブを観たとき、メンバーから「じろうさん」と紹介される前からサポートギタリストは宮永治郎さんだろうと思っていました。
というのも、宮永さんがかつて在籍していたバンド「water」の再結成ライブの映像を以前に見たことがあり、LoVendoЯライブのときとよく似たスーツとサングラス姿でギターを弾く宮永さんの姿を見ていたからでした。



上で紹介したのがwaterの再結成後のライブ映像です。この曲には聞き覚えのある方も多いかもしれません。waterのこの曲はその後メンバー自身により一部改作されてほかのアーティストに提供されています。



ということですな。